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[MOM1862]四日市中央工MF川尻裕吏(1年)_アディショナルタイム2発!北海道から来たMFが名門救う!!

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.26 関西U-16~Groeien(育てる)~2016第9節 東大阪大柏原高 2-3 四日市中央工高 伊勢ヴィレッジA]

 劇的勝利の主役は北海道から来たMFだった。四日市中央工高は1-2とリードされて迎えた後半アディショナルタイム、左CKのこぼれ球をMF川尻裕吏が鮮やかな右足シュートでゴールへ突き刺して同点。「たまたまです。ゴールも見ていなかったです」という一撃で同点に追いついた四中工はその1分後に決勝点をもぎ取る。決めたのは再び川尻。MF浅野瑞稀の左クロスに反応した川尻は無我夢中でゴール前に入り込み、ヘディングシュートでゴールネットを揺らした。

 試合最終盤までチームのために走って、諦めずにゴールを狙い続けることができる存在。山崎崇史部長はボールを引き寄せた部分含めて彼の「人間力」を評価する。決して派手なプレーをする訳ではないが、それでも最後まで走り続けた川尻について「四中工らしいプレーヤー」「チームに必要な選手」として賞賛していた。

 その川尻はこの最終節に期するものがあったのだという。「昨日のグロイエンで周りの選手は活躍していたんですけど、自分だけ活躍できていなかった。チームの波に乗れていなかったので、きょうこそは結果を残したいと思った」。その中で決めて見せたアディショナルタイムの2発。穏やかな口調の戦士は「少しは結果が残せたかな」と微笑んだ。

 川尻は北海道の札幌ジュニアFCユース出身。祖母が三重県の津市に暮らしている縁もあるが、「(コーチの)國吉(祐介)くんや浅野拓磨選手が準優勝したのを見て、それで来たいなと思ったのがきっかけです」と決意をもって四中工への進学を決意したという。北海道では強豪校からの誘いもあったが、三重では無名の存在。それでも「周りの選手に比べて下手なので周りの選手よりも走ってカバーしたいです」と他の選手たちよりも走って、アピールしたMFはケガの明けた「関西U-16~Groeien(育てる)~2016」中盤戦から出場チャンスを得て、この日はフル出場で結果を残した。

 目標は自身を四中工へ引き寄せた選手権の舞台に立つこと。「選手権のピッチ立って、北海道で応援してくれる人にピッチに立った姿を見せてあげたいなと思っています」。その思いを実現するために、日々努力を重ねる。

(取材・文 吉田太郎)
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