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[MOM1865]長崎総合科学大附MF右田翔(3年)_九州では止まらない“右田新幹線”、2G3A!

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.28 高円宮杯プリンスリーグ九州第4節 鹿児島実高 1-7 長崎総合科学大附高 霧島市国分総合運動公園]

“右田新幹線”は試合終了のホイッスルまで一つの駅にも止まらなかった。常にスペースを狙い続け、ボールを持てば全速突破。8月28日に行われたプリンスリーグ九州第4節。鹿児島実高の左サイドは、長崎総合科学大附高の高速右ウイング、右田翔によって壊滅状態に陥ることとなった。

 開始1分にいきなりゴールネットを揺らすと、27分にはゴール前を横断して逆サイドのウイング宇高魁人まで届く右クロスから最初のアシストを記録。さらに後半17分には、流れの中でセンターFWの安藤瑞季とポジションを入れ替えて中央を突き、MF薬真寺孝弥のスルーパスを受けて決定的な3点目を奪い取る。さらに4点目と5点目もアシストして、これで2得点3アシスト。圧倒的な輝きで、鹿児島実撃破の立役者となった。

 7月の高校総体では滝川二高との2回戦で敗退。右田は再三の突破を見せながら、クロス精度を欠いたことで自身が敗因になってしまったとの悔恨があった。「本当に悔しかったので、意識して取り組んできた」とクロスの質の改善に取り組み、この日は「ちゃんと中の動きも観ながら上げられていた」と振り返るように、4点目と5点目は味方へ優しいパスのようなクロスを届けての見事なアシストだった。

 そのスピードと突破力が際立つが、鹿児島実・森下和哉監督が「自分の間合いを分かっている」と舌を巻いたように、相手DFとの距離感を的確に保ってボールを“受ける”プレーも光った。さらにこの日は外に張って突破を仕掛けるだけでなく、自らゴールを奪う姿勢も見せての2得点。これもまた「ゴールへの意識が薄すぎた」との自覚から改善に取り組んできた部分である。右田と安藤のポジションチェンジは、安藤が徹底的に警戒されているからこそ大きな武器になるかもしれない。

 経験豊富な小嶺忠敏監督から「あいつがいないと困る」とまで言われる“右田新幹線”。そのドリブルは九州の中で停まりそうもない。

(取材・文 川端暁彦)
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