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[Rookie League]矢板中央が板橋2発で帝京撃破!U-16全国懸けた流経大柏との代表決定戦へ

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[9.4 2016 Rookie Leagueプレーオフ1回戦 矢板中央高 2-0 帝京高 時之栖うさぎ島G]

「2016 U-16 Rookie League」は4日、U-16全国大会出場を懸けたプレーオフの1回戦を行い、A Group3位の矢板中央高(栃木)とB Group優勝の帝京高(東京)が対戦。矢板中央が交代出場のMF板橋幸大の2ゴールによって2-0で勝ち、A Group2位・流通経済大柏高(千葉)とのU-16全国大会代表決定戦への進出を決めた。

 U-16全国大会(来年開催予定)へ繋がる一発勝負のトーナメント。リーグ戦とはまた違う緊張感の中でチーム、個々の成長をもたらしそうな好ゲームが展開された。上位リーグのA Group勢とも遜色ない実力を評価される帝京と、A Group9試合で28得点9失点という堂々の内容で3位に入った矢板中央との一戦。B Group優勝を決めた前日の試合後に超大型CB赤井シャロッド裕貴が「しっかりチャレンジしていきたい」と語ったように、帝京は特長であるポゼッション主体のサッカーで矢板中央に挑戦した。

 規定により、90分間で引き分けた場合は上位リーグに所属する矢板中央が代表決定戦へ進出。そのため、勝つしか無い帝京は立ち上がりからアグレッシブな攻撃を見せた。空中戦でも強さを発揮していた司令塔のMF三浦颯太を中心としたコンビネーションと、MF佐々木大貴の個人技などで矢板中央守備陣に穴を開けようとする。対する矢板中央も地上戦を展開。赤井と激しいマッチアップを繰り広げた大型FW望月謙がボールをよく収め、ショートパスからの連続攻撃で帝京守備陣に揺さぶりをかけた。

 前半半ばまでは帝京の仕掛ける回数が矢板中央を上回る。中央からの攻撃に加え、右サイドではSB中島涼太が積極的に攻撃参加し、左MF入澤大もドリブルでPAへ切れ込もうとした。だが、矢板中央は土澤昂太と白井瑞貴の両CBと右SB後藤裕二、左SB眞島聖弥といういずれも高い運動能力を持つ4バックがチャレンジ&カバーを徹底して危険なシーンをつくらせない。

 そして徐々に相手を押しこむ時間を増やした矢板中央は32分に相手DFの背後へ飛び出したMF佐々木颯汰の右足シュートがゴールを捉え、直後には右CKから望月がヘディングシュートを打ち込む。帝京も40分にビッグチャンス到来。中盤中央でインターセプトした佐々木のスルーパスからブラジル人FWサントス・デ・オリベイラ・ランドリックが抜け出し、飛び出してきたGKよりもわずかに速く左足を振りぬく。だが、ボールはわずかにポスト右へ外れて先制することができない。

 一方の矢板中央も43分にカウンターから土澤がドリブルで駆け上がり、佐々木が決定機を迎えたが、帝京CB赤井がカバー。後半開始から矢板中央は複数のDFを一人で抜きにかかるFW飯島翼と狭い局面をスピードで打開する板橋を同時投入して帝京守備陣にプレッシャーをかける。また「得点を取りたかった。積極的に行こうと思っていた」という後藤と眞島の両SBの攻撃力も脅威に。帝京も佐々木が前線を追い越してゴールへ迫るシーンを増やしたが、矢板中央はGK安西駿中心に安定し、得点を許さない。

 互いに譲らず、0-0で迎えた後半18分、矢板中央は後藤が右サイド後方からFKを入れる。帝京がクリアするもこぼれ球を拾った板橋がコントロールから右足シュートをねじ込んで先制した。待望のリードを手にした矢板中央はさらに40分、左サイドでパスを受けた板橋がスピードに乗ったドリブルで左サイドを突破。そのまま左足シュートを決めて2-0とした。終盤は佐々木のヘディングシュートがクロスバーを叩くシーンもあったが、矢板中央は帝京を無得点に抑えて勝利。後藤は「前半、セカンドボールとか拾えていなくてキツイ時間が続いたけれど、無失点でしっかり耐えて、後半板橋が入ってきて点が取れたことは良かったです」と喜んだ。

 矢板中央は後半からエース級の2選手を投入し、攻撃のギアを上げて2得点。チームの特長である堅守も発揮して勝利した。金子文三コーチは「彼ら(飯島や板橋)とは違うタイプの選手もいる。色々な選手に経験させながら」1年生チームを成長させてきたという。可能な限り、多くの選手に出場機会を与えながら、結果も得ることで選手たちの自信に。この日も相手の強力ブラジル人アタッカー、ランドリックらと対峙して勝利した試合に「いい経験ができた」と微笑んだ。堅守、ハードワークというチームスタイルで栃木を代表する存在となり、全国でも上位に食い込むようになってきた矢板中央は全国で勝つために攻撃の良さを加えようとしている。2人、3人を一気にかわそうとする飯島ら特長を持つアタッカーたちのチャレンジを後押しし、上のステージで通用する個を育てること、チームが一段階大きくなることを目指している。

 次は流経大柏との全国出場決定戦。後藤は「勝ちたいですね。きょうはいらないファウルがあった。そういうのをなくして勝ちにこだわって、厳しくやっていきたい」と語り、土澤は「リーグ戦で逆転負けしていたので借りを返したいですし、しっかり勝って、全国にみんなで行きたいなと思います」と力を込めた。リーグ戦では逆転負けしている強敵との再戦を勝利し、また成長する機会を手にする。

[写真]後半18分、矢板中央はMF板橋が右足で先制ゴール

(取材・文 吉田太郎)
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