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[選手権予選]國學院久我山は4年連続の全国ならず・・・「この負けた光景を目に焼き付けて来年に」

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[9.10 選手権東京都Bブロック予選1回戦 國學院久我山高 0-1 帝京高 駒沢補助]

 MF名倉巧主将(3年)、FW澁谷雅也(3年)、MF知久航介(3年)、GK平田周(2年)、CB上加世田達也(2年)……昨年度の全国高校選手権準優勝メンバーを多数残した國學院久我山高は、0-5で東福岡高に敗れた全国決勝で勝利することを目指して努力を続けて来た。だが、9か月前に全国舞台で輝きを放った選手たちは、選手権で勝つことの難しさを東京都予選で痛感することなった。

 硬さも見られた前半は全国を沸かせた華麗なサッカーに及ばない内容。判断を欠いたプレーが多発し、不用意にボールロストしてしまっていた。それでも名倉や澁谷が個人技で帝京の守りに穴を開けてチャンスを演出するシーンもあった。後半12分に失点したものの、その後は判断良くボールを動かして、相手の守りをずらし、決定機もつくっていた。だが、遠かった1点。今季T1(東京都1部)リーグで2勝していた帝京に敗れる結果となった。

 この1年間はプレッシャーとの戦いだった。清水恭孝監督は「チームは立ち上がった時から新チームは(昨年と)全く関係ないとずっと言っていたんですけれども。周りの皆さんは準優勝というチームで見るんですけれども、今年は単純に1回戦、2回戦で負けているチームなので受け止めないと、次へは進めない。彼等は嫌というほど言われてきたと思うし、もしかしたら言い過ぎる部分もあったかもしれないです」。

 関東大会予選は2回戦で敗れ、全国総体予選では2次トーナメントへ進むことができなかった。自分たちは結果を残せていない、昨年とは違う、ということを理解していた。だが清水監督が「今年のチームが劣っているとは思わない」と評するチームは選手権の一発勝負のトーナメント戦でプレッシャーを乗り越える力をまだ手にすることができていなかった。

 國學院久我山は昨年まで3年連続で全国高校選手権に出場。現3年生たちは選手権予選で負けるという経験がなかった。清水監督は試合後のミーティングで、この日自分たちが負けたように、去年は自分たちの横で違うチームが負けて悔しい思いをしていたことを伝えたという。これまでは上手く行っていたが勝つこと、勝ち続けることは簡単なことではない。名倉は後輩たちへ向けて「この負けた光景を目に焼き付けて来年につなげてほしい」。チームは現在、T1リーグで優勝争いを演じている。大学受験のために引退する3年生選手もいるようだが、残る3年生や1、2年生たちは目標をT1リーグ優勝、プリンスリーグ関東昇格へ切り替え。それを達成するために全力を尽くす。

(取材・文 吉田太郎)
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