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小池が1G1A!流通経済大は0-2から2点返し、桐蔭横浜大とドロー…互いに3点目取れず悔しさも

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[9.11 関東大学リーグ1部第12節 桐蔭横浜大2-2流通経済大 保土ヶ谷]

 第90回関東大学サッカーリーグ戦1部の後期リーグが11日に開幕し、第12節が各地で行われた。神奈川県・保土ヶ谷公園サッカー場では、6位の桐蔭横浜大と7位の流通経済大が対戦し、2-2で引き分けた。

 6月11日に行われた前期リーグの対戦時は、桐蔭横浜大が前半10分までに2点を先取するも、そこから流通経済大が4点を奪取。4-2の逆転勝利を飾った。この日の試合も前期と同じ展開となり、桐蔭横浜大が前半17分までに2点を先取した。

 前半3分、リーグ戦デビューとなったMF杉山雄太(1年=札幌U-18)の縦パスから左サイドへ抜け出たMF佐藤碧(4年=関東一高)が迷いなく持ち込んで右足シュート。1-0と先制に成功する。

 前半17分には追加点。FW鈴木国友(3年=相洋高)のパスにFW今関耕平(4年=千葉U-18)が反応。相手GKとCBの間のスペースを目掛け、PA内左へ走り込む。

 一度はDF今津佑太(3年=流通経済大付柏高)にブロックされるが、「相手のGKとDFの間が甘かった。身体を入れられたあとでも、足を出せば何かが起きるかな」との思いで、今関はこぼれたボールへ自ら反応。判断を迷ったGKオビ・パウエル・オビンナ(1年=JFAアカデミー)が出遅れる中、冷静に右足でシュートを決めた。

 ゴールを決めた頼れる主将が「身体を入れた後に(相手CBが)GKが出てくるのを待っているような曖昧な感じがあったので、狙えるかなと思いました」と振り返れば、連携ミスからの失点に今津は「意図して、あのスペースでやられたのはCBとして情けない」と唇を噛んだ。

 八城修監督が「申し分のない前半でした」と話したように、早い時間に2点を先取した桐蔭横浜大は守備陣も奮闘。相手エースFWジャーメイン良(3年=流通経済大付柏高)に前半は1本もシュートを打たせず。DF田中憧(4年=鹿島学園)とDF時田和輝(3年=流通経済大付柏高)のCBコンビを中心に粘り強く戦った。

 それでも前期リーグを4勝2分5敗という不本意な結果で終え、総理大臣杯にも出場できず。8月上旬には10日間で23試合をこなすなど、厳しい夏のトレーニングを積んできた流通経済大も、このままでは終わらない。前期リーグでは劣勢になるほどにチームの士気も落ちていたが、この日は2点を追う展開にも誰もが頭を下げることなく、ひたすらに前だけを見てプレーした。すると前半41分、ワンプレーが流れを変えた。

 PA手前左の位置でFKを獲得。「得意な位置だったので」というDF小池裕太(2年=新潟ユース)が左足で直接狙ったボールは7枚の壁の上を抜け、ゴール右へ吸い込まれた。流通経済大が1点を返し、2-1で前半を折り返した。

 そして後半4分、勢いそのままに同点弾。MF西槇翼(3年=流通経済大付柏高)の右クロスをジャーメインがヘディングシュート。ポストを叩くが、こぼれを拾った小池が冷静に状況を見極めて折り返す。再びポジションを取り直したジャーメインが左足でシュートを決めた。

 前半はシュート0本。中野雄二監督から「代えるぞ!」と叱咤されていたというFWは「やっと結果を出せてよかった」と安堵の表情。「触るだけだったので、落ち着いて打てました」と胸をなでおろした。

 その後は互いに得点は生まれず。桐蔭横浜大は後半31分からルーキーMFイサカ・ゼイン(1年=桐光学園高)を送り込み、同45分には右サイドから仕掛けて自らシュートも放ったが枠外。同アディショナルタイム2分には杉山のパスに反応した今関がPA左へ抜け、チャンスを迎えたが枠を捉えることはできなかった。流通経済大も途中出場のFW星野秀平(3年=流通経済大付柏高)がパワフルに前へ仕掛けたが、互いに3点目は生まれず。2-2のドローで終わった。

 試合を終えて、桐蔭横浜大の八城監督はリードした前半の戦いぶりを労いながらも「3点目を取れるチャンスがあったのに取れなかった。それでも前期は(2-0から2-4に)逆転されているなか、今日は引き分け。“半歩前進”くらいに思いたい。悔しいですけど、関東1部で簡単に勝てる試合はない」と引き分けという結果を受け入れた。

 一方で流通経済大の中野監督は「相変わらずだめですね。相手が2-0から2-2にされて落ちたところで、3点目を取れないと」とバッサリ切りつつも、「前期だったら2失点したら崩れていったけれど、(今日は)劣勢でも切らさずに2点を取れたことは良かったともいえる。負けなかったのは最低限の結果」とチームのささやかな成長を認めていた。

(取材・文 片岡涼)
●第90回関東大学1部L特集

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