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SB藤谷の右クロスから先制点!U-19代表が目指してきたクロス精度向上の成果も

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[9.26 練習試合 U-19日本代表候補 3-2 日本体育大 味フィ西]

 前回のAFC U-19選手権でU-19日本代表の敗因のひとつとなったのがクロスの精度の低さだった。当時はMF松本昌也やMF奥川雅也といったサイドを主戦場としていた選手たちが負傷。敗れた北朝鮮戦もクロスこそ上がるものの、中央の選手に合うボールが上がる回数が少なかったため、内山篤監督は今回のチーム発足当初からサイド攻撃、クロスの精度向上の部分にこだわって指導を続けてきた。

 この日の練習試合では前半7分にそのクロスから先制点。右SB藤谷壮(神戸)が切り返して中央方向へボールを運んでから上げた左足クロスを、エースFW小川航基(磐田)が左足ダイレクトで合わせてゴールを破った。藤谷は「(縦への突破は)相手に読まれていた。縦行ってそのまま行っても精度の低いクロスになるかなと思ったので、一回切り返して左で上げたらいいと。試合前から小川とああいう形で点取れたらいいなという話をしていたので、そこは一つ良かったです」と語り、結果が出たことについて微笑んだ。

 藤谷はU-19代表で主軸を担ってきた右SB。昨年のAFC U-19選手権予選でもその突破力とクロスがチームの大きな武器となっていた。だが、今年は右足ハムストリングスの肉離れによって離脱。回復した箇所をまた痛めてしまったことで3か月も離脱することになってしまった。神戸のために早く復帰すること。同時にU-19日本代表の一員としての責任感も強い藤谷は「ここまでには治したいと思っていた。試合に出るためにも代表に選ばれたいと思っていた。この年代での世界大会は1回しかありませんし」とAFC U-19選手権までに戻ってくることを目指していた。

 7月に復帰し、U-19日本代表にも8月の海外遠征から復帰を果たした。まだ試合勘は十分ではなく、この日もスピード感溢れる攻撃参加を見せた一方、守備面では危ないシーンもあった。本人も「試合勘を戻さないとダメだし、プレーの流れの中でのクロスの精度がまだまだ低い」と感じているだけに、今は状態を上げることに集中。そしてアジア決戦では自信を持って「自分がやれるプレーをしっかり出せればいい」。アジア突破のカギを握る存在のひとり。右サイドで優位に立ち、この日のようにそのクロスでゴールを演出して勝利に貢献する。

(取材・文 吉田太郎)
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