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鹿児島、J1・J2ライセンス制度導入以降初の不交付…その理由とは

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Jリーグ初参戦の鹿児島はJ3で現在3位と奮闘を見せている

 Jリーグは28日、2017シーズンのJ1およびJ2ライセンス判定結果を発表した。46クラブの申請があり、昨年から3クラブ多い40クラブにJ1ライセンスを交付。5クラブにJ2ライセンスを与えることを認めた。

 しかし、28日現在、J3で3位に付ける鹿児島ユナイテッドFCにはJ2ライセンスが認められることはなかった。これで鹿児島は今季、順位でJ2昇格条件を満たしても、来季はJ2に昇格することが出来なくなった。

 不交付判定はクラブライセンス制度が始まって以来の初の事例(J1・J2のみ。J3は昨年八戸が不交付となった事例がある)となった。J3ライセンスについては、10月のJリーグ理事会で判定される。

 鹿児島の不交付となった理由については、ホームスタジアムの鹿児島県立鴨池陸上競技場がライセンス基準を満たさなかったことにある。J2基準を満たすためには、10000人以上の入場可能数を確保することが条件となる。しかし鴨池競技場は、2020年第75回国民体育大会に向けた改修を行うため、17シーズンはメインスタンドが全面使用できないことになっている。そしてサイドスタンドもJリーグがカウント外としている芝生席のため、入場可能数は5386人となることから、基準を充足しないと判断された。

 また工事が完了すれば、ライセンス規定を満たすのかということについても疑問符がついている。スタジアム推進グループマネージャーの佐藤仁司氏は、「具体的に詳細を見ないと分からない」と説明する。そして現時点では「ライセンス基準を満たすような工事にはなっていない」とすると、鹿児島がJ3に昇格する前から、「新設のスタジアムをご検討いただかないと厳しくなる」と指摘してきたと続けた。

 ただクラブライセンスマネージャーの青影宜典氏は、「決して後退ではない」と擁護する。そして「今後、鹿児島がクラブとして上のカテゴリーを目指す上でのプロセスだと思っている。今回の結果を受けて、地元の皆さま、クラブの中でしっかりと確認して、来年以降に繋げていってほしい」と期待した。

(取材・文 児玉幸洋)

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