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[MOM1892]鹿島学園FW中野大飛(3年)_“仮10番”の急成長「高校で燃え尽きたい」

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FW中野大飛(3年)は後半24分から出場して決勝点を奪った

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.1 ADIDAS CUP 2016 in TOKYO 札幌大谷2-3鹿島学園 流通経済大グラウンド]

 エースFW上田綺世(3年)の負傷により、背番号10を託されたFW中野大飛(3年)が結果を残した。鹿島学園高(茨城)は2-2の後半24分に一気に8選手の交代に出る。押され気味だった流れを変えるために投入された中に、中野も含まれていた。

 すると流れは一変。後半に入ってから攻撃の形をなかなか作ることができなかった鹿島学園が立て続けに相手ゴールに迫る。そして後半30分、右サイドからのクロスを受けた中野が反転シュートでゴールネットを揺らす。「トラップが上手くいったので、あとは監督にいつも言われているように枠に打てということを意識して蹴りました」。背番号10は笑顔で振り返った。

 中野は今季急成長を遂げる3年生。夏の総体前にBチームから昇格し、総体からはレギュラーFWに定着。背番号15をつけて、全国大会で得点も記録した。「大学ではサッカーを続けることは考えていない。今は高校最後に燃え尽きて終わりたいと思っている」。全国大会までの残り3か月。“仮10番”を託されるほどの信頼を得るまでに成長した17歳は、高校生活最後の冬を突っ走る覚悟でいる。

 鹿島学園は現在、絶対エースの上田やキャプテンDF塩野清雅(3年)ら、総体登録メンバーのうち8人が負傷離脱中という非常事態にある。ただしそれはこれまで控えに甘んじていた選手にとってのチャンスであり、レギュラーの中野にとっては地位を確固たるものにするアピールの場でもある。「まずは選手権に出て、チームを勝たせられるようにしたいですね」。目標の「全国制覇」を目指すべく、まずは4年ぶりの茨城県制覇に挑む。

(取材・文 児玉幸洋)
●ADIDAS CUP 2016 in TOKYO特集

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