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[国体少年男子]抜群のスピード活かして決定機阻止、福岡県救ったCB西田

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(写真協力 高校サッカー年鑑)

[10.3 国体少年男子2回戦 福岡県 2-0 千葉県 遠野市国体記念公園市民サッカー場(人工芝)]

 試合後は2得点を挙げたMF野寄和哉(東福岡高1年)同様に、チームメートから賛辞の声をいくつも浴びていた。福岡県は50mを6秒ジャストで走るという俊足CB西田翔央(東福岡高1年)が千葉県の決定的なピンチを2度、3度と阻止。MVP級の活躍でチームの勝利に貢献した。

 西田は「相手の特長とかをある程度把握して、絶対に負けないという気持ちで臨めたので、そこが勝てた要因になったと思います。11番の郡司とかは裏抜けとかから点取っているので、DVDとか見てある程度対応を考えながらやっていました」。相手の攻撃の柱であるMF郡司篤也(市立船橋高1年)やこちらもスピードのあるFW松尾勇佑(市立船橋高1年)に抜け出されたシーンもあった。だが、抜群のスピードを武器とする西田は素晴らしいカバーリングを連発。前半25分にはインターセプトから左中間を独走した松尾を後方から追いかけて「ちょっと遅れたかなと思ったんですけど体ごと投げ出して防げた」と最後にシュートブロックし、後半にも中央からPAへ入り込んだ郡司をストップするなどそのスピードと強さで“ゴールの番人”と化していた。

 その西田を強さと高さで上回るCB大川智己主将(九州国際大付高1年)には厚い信頼を寄せており、「(大川)智己は競り合いが強いので、競り合いは任せて自分はカバーすればいい」というコンビは最後までゴール前で堅守を発揮。サイドからいい形でクロスを上げる千葉県に最後まで得点を許さなかった。九州予選では守備陣が不安定で0-3で敗れた試合もある。だが「本国では絶対に抑えよう」という思いをプレーで表現。加えて「選手権の市船対ヒガシの試合のようになるんじゃないかなと思って、DVDをずっと見ていて。千葉の朝岡監督は市船のサッカーをしてくるんじゃないかと思っていた」と勝つために、相手の特長を出させないように徹底的に研究してきた。確かに崩されるようなシーンはあったが、それでも努力は実を結ぶ。70分間を守り抜き、勝利の立て役者となった。
 
「レギュラー争いがしたかった。同じ1年生でもライバルが2人以上はいて負けられないです」という名門・東福岡でライバルたちと切磋琢磨しながら成長するCB。「スピードがあるんで長所にできるようなCBになってポジショニングをしっかりしたいです」と語った無名の好DF西田が今後も強豪たち相手にゴールを守り抜く。

(取材・文 吉田太郎)
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