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[MOM1898]福岡県MF野寄和哉(東福岡高1年)_厳しい環境で成長遂げた“サッカー小僧”が劇的2発!!

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(写真協力 高校サッカー年鑑)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.3 国体少年男子2回戦 福岡県 2-0 千葉県 遠野市国体記念公園市民サッカー場(人工芝)]

「DFが頑張ってくれていた。ボールもいっぱいロスしたし、このままだと情けないなと」。福岡県は35分ハーフの試合の後半35分にMF野寄和哉(東福岡高1年)が劇的な先制ゴール。千葉県に押し込まれながら無失点で守ってくれた守備陣のためにゴールを狙い続けたアタッカーが、最後の最後で結果を残した。

 福岡は中盤の攻防を制すとフリーで前を向いたMF篠田憲政(東福岡高1年)がスルーパス。これで抜け出した野寄がGKとの1対1から左足を振り抜く。登録190cmのU-16日本代表GK小久保玲央ブライアン(柏U-18、1年)が距離を詰めてきたが、160cmのMFは左上隅へ見事なシュートを沈めて待望の1点をもたらした。さらにアディショナルタイム突入後の37分にはMF園田新一郎(九州国際大付高2年)の左足シュートのこぼれ球を難なくゴールヘ沈めて2点目。勝負を決める2ゴールを奪った野寄だが、試合後は「きょうの試合は結果は残せたんですけど、内容は全く満足できなかったので次の3回戦、上に進むにつれてベストが出せるようにしていきたい」と内容を修正してさらなる活躍をすることを誓っていた。

 東福岡高では1年生ながらプレミアリーグにも出場している注目のタレント。中学2年時には元日本代表DF宮本恒靖監督率いる「adidas UEFA Young Champions 日本代表」に選出されてポルトガル遠征を行い、ブラジルやポルトガル相手にインパクトある動きを見せた。当時のチームメートである東京都MF天野悠貴(FC東京U-18)とは4日の準々決勝で激突する予定。「(当時のチームメートに)負けたくないですね」というMFが旧友との戦いも勝利する。

 福岡の星原慎也監督(北九州市立沖田中)が「(良い意味で)“サッカー小僧”」と評するMFの技術レベルは非常に高く、ドリブルからのスルーパスなどが持ち味。昨年度全国2冠の東福岡へ進学した理由は「県外と迷ったんですけど一番熱心に誘ってくれたので選びました。県選抜とかでやっていたメンバーが多くいたし、ヒガシで出れないとプロにはなれないと思って入学しました」。中学生時代は“ガキ大将”のような印象だった選手が、将来プロになるため選んだ厳しい道。東福岡では鹿島内定のSB小田逸稀(3年)らからアドバイスを受け課題を改善してきた。「東福岡は練習から100パーセントやらないと上に行けないですし、みんなから厳しく言われてそれが今の自分の力になっていると思っています。中学校の時は大事な大会で結果を残せなかったけれども変わってきている」。厳しい環境で学んできたことを“サッカー小僧”は今回の国体で少しでも表現して優勝に貢献する。

(取材・文 吉田太郎)
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