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[国体少年男子]「本気で優勝を目指してやれている」佐賀県が昨年4位・兵庫県撃破し、8強入り!

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勝利の瞬間、両手を突き上げて喜ぶ佐賀県イレブン。(写真協力 高校サッカー年鑑)

[10.3 国体少年男子2回戦 兵庫県 0-1 佐賀県 遠野運動公園陸上競技場]

 3日、第71回国民体育大会「希望郷いわて国体」サッカー競技少年男子の部2回戦が行われ、前回大会4位の兵庫県と佐賀県との一戦はMF三好辰典(鳥栖U-18、1年)の決勝点によって佐賀が1-0で勝利。佐賀は4日、初の4強入りをかけて大阪府と戦う。

 佐賀は登録16人中14人が鳥栖U-18と鳥栖U-15の選手。これに同県の強豪・佐賀東高の2選手を加えた陣容だ。森惠佑監督(鳥栖U-15)が「自分たち(鳥栖)はトップチームがある。トップチームが最高のリーグで日本一を目指しているんで、この年代でもしっかり目指していく。選手たちもそういうところを言っています」と語り、MF草刈龍星主将(鳥栖U-18、2年)も「自分たちも本気で優勝を目指してやれているんで、自分たちの代で新しい歴史を残そうという気持ちは強いです」と言い切った。前評判は決して高くない佐賀だが、九州予選は長崎県、熊本県、鹿児島県とのリーグ戦を3戦全勝で勝ち上がってきている隠れた実力派。そして、この日の兵庫撃破で今大会のダークホース的存在に名乗りを挙げている。

 ボールの握り合いが予想された前半、主導権を握ったのは佐賀だった。森監督が「前半は自分たちのいいところというか、ボールもしっかり動かしながら、相手の背後を突くところができたと思います」と評したように、ボールを握りながらFW石井快征(鳥栖U-18、1年)やFW鶴陽裕(鳥栖U-18、1年)の突破力を活かした攻撃でチャンスをつくり出す。守備面でも最終ラインで強さを発揮したCB平瀬大(鳥栖U-18、1年)や安定感高いGK梁井勇輔(佐賀東高2年)を中心に兵庫の攻撃を無得点に抑えた佐賀だが、決定機を逸して苦しい試合展開にしてしまった。

 MF畝尾拳槙(神戸U-18、1年)のドリブルシュートなどでゴールを目指した兵庫は後半開始からU-16日本代表FW泉柊椰(神戸U-18、1年)を投入。その泉やFW木村勇大(大阪桐蔭高2年)をポイントに先制点を狙ったが、佐賀にリードを許してしまう。後半16分、チャンスを作りながらもなかなか得点が奪えなかった佐賀は、九州予選をケガで欠場している主将・草刈が右足ミドルにチャレンジ。「ちょっと前のシュートをDFに当ててしまっていたので、次はファーストタッチでDFを外して、入ったと思った」という一撃はクロスバーを叩いたが、跳ね返りを「打つ瞬間に来そうだったので、走り出しました」といち早く反応していた三好が押し込んで1-0とした。

 この後は兵庫が同点ゴールを目指して攻める。18分にはCB上出直人主将(滝川二高2年)が決定的なヘディングシュートを放ったほか、SB中濱悠斗(神戸弘陵高1年)のミドルシュートなどで何とか佐賀ゴールをこじ開けようとした。そして後半30分にはMF船越大夢(神戸U-18、1年)の左クロスから木村が決定的なヘッド。だが、決めきれず、こぼれ球を狙った木村のシュートも枠を外れてしまう。そして1-0のまま試合終了。試合後、兵庫は座り込んだまま数分間動けない選手がいたほど悔しさを露わにしていた。

 佐賀の森監督は今年のチームについて「中で全体の質も持ちながら、中で伝えながら修正するところ、言い合って同じ方向に向いているところは持っている」と説明する。この日は最後の局面で決め切る部分を欠いたが、その部分を全体で修正してV候補の一角・大阪府との準々決勝で結果を残す。石井は「(大阪は)優勝候補なんでそこ勝てたら優勝に近づく。勝ちたいですね」と宣言。「最初から日本一が目標」(三好)と高い目標を掲げる佐賀が強敵に挑戦する。

(取材・文 吉田太郎)
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