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[国体少年男子]U-16代表・森山監督の前で存在感示した広島県の10番CB鈴

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(写真協力 高校サッカー年鑑)

[10.4 国体少年男子準々決勝 広島県 3-2(延長)新潟県 遠野運動公園陸上競技場]

 AFC U-16選手権インド2016から帰国直後のU-16日本代表・森山佳郎監督の前で広島県のレフティー、CB鈴直樹(広島ユース、1年)が印象的なプレーを見せた。3バックの中央で左右にボールを振り分けながら、相手が動いてできたスペースを逃さずに左足で絶妙な配球。見ている側が唸るような左足のミドルパスを何本も通して、広島の攻撃を活性化した。

 加えて守備の部分でも強さを発揮。新潟県の注目MF谷内田哲平(長岡JY FC)はわずかな間さえあればドリブルで局面を打開し、スルーパスを通してくる非常に厄介な存在だった。だが、鈴は危険なシーンでの1対1で止めきって見せるなど守備能力の高さを発揮。中学生ながらU-18のプリンスリーグ北信越で12得点をマークしているMFにアシストこそ許したが、ゴールは許さなかった。

 本来ボランチでまだCBの挑戦を始めて間もない鈴は「クロスとかに対して上手く弾けなかったり、マークの付き方が甘くて点取られたりしていた」と反省することも忘れなかったが、「1対1は結構得意な方なので、とりあえず抜かえないようにして。CBをやればやるだけ、経験とかも積み上がってきて、だんだんやり方も分かってきて上手くできるようになってきている。自分としてはロングパスとか得意。それもあってCBになったのがある。自分のロングパスとかでアシストしてチームの勝利に繋がれば」と手応えと今後への意欲を口にする。

 その鈴については森山監督も興味を示し、より鍛え上げられることを期待。また広島ユースでも指導する広島県の岩成智和監督は「鈴はああいうところ(守備の強度)が鍛えられればボランチとしても、守備もできる良いボランチになる。技術は高い。ディフェンスは日に日に良くなっている」とポテンシャルの高さを認めていた。国体という真剣勝負の場で激しい戦いを繰り返しながらさらなる進化を遂げるか。鈴は「(広島県選抜は)去年も強くて今年はその人達とチーム(広島ユース)で練習とかもしていて鍛えられている部分もあるんで、ぜひ勝ち上がって優勝したいです」。試合を支配するような空気漂わせる背番号10のCBが広島にあと2勝をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)
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