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日本vsイラク 試合前日のハリルホジッチ監督会見要旨

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イラク戦に向けて記者会見するバヒド・ハリルホジッチ監督

 日本代表は5日、試合会場の埼玉スタジアムで公式練習を行い、6日のW杯アジア最終予選・イラク戦に向けて最終調整した。練習前にはバヒド・ハリルホジッチ監督が公式会見に出席した。

バヒド・ハリルホジッチ監督
「今のところのシチュエーションだが、我々が勝つための準備としてすべてのことをやらないといけない。時々は困難な状況もあるが、何人かは理解できない、あるいは理解したくない様子なので、日本が勝つためにすべての準備をするということにとどめておきたい」

―前回はコンディション調整に苦労したということだったが、今回の手応えは?
「選手によってフィジカルコンディションが違う状態。何人かは良い状態で、何人かは疲れている。2日前に着いた選手もいる。疲労回復のところにトライしないといけない。メディカルスタッフがフィジカルコンディション、疲労回復のところはしっかりやってくれている。トップパフォーマンスにはならないと思う。選手には昨日、短いスピーチ、正確なスピーチをしたが、とにかくメンタルだ。それが違いを見せつけると話した。明日の昼までしっかり考えて最終的な決断をしたい。ただ、全選手が集中しているし、モチベーションも高い。疲労があるとしても、みんなプレーしたい気持ちでやっている。トレーニングをせずに何かプレーすることは不可能だが、シチュエーションとしてはこんな状況だ」

―2次予選初戦のシンガポール戦、最終予選初戦のUAE戦はかなりのプレッシャーがあったと思うが、明日の試合はそれ以上のプレッシャーを感じているか?
「最終予選は常にプレッシャーがある。プレッシャーによって選手はより戦う気持ちになる。最終予選は素晴らしい試合をするだけではダメで、本当に素晴らしい試合をしないといけない。野心があるなら、プレッシャーを受け止めないといけない。だれかがプレゼントを渡してくれるわけではない。勝利を探しにいかないといけない。最終予選突破を勝ち取りにいかないといけない。

 日本ではそんなにプレッシャーはないと思う。それがいいことか悪いことかは分からないが、これまでいろんなチームを率いてきて、プレッシャーはここの10倍あった。今の状況を選手に伝えた。強い気持ち、強さは困難なところで発揮するものだと。みんなが高いところを意識してやっていかないといけない。将来、もっともっと強いチームが待っている。W杯本大会はもっとプレッシャーがかかる。大会が進むにつれて、さらにプレッシャーがかかる。プレッシャーがあるのはいいことだ。プレッシャーによってより強く、よりモチベーションが上がる。何人かは準備できていないかもしれないので、私は監督として彼らを励ましたい。経験ある選手はこのようなシチュエーションもコントロールできると思う。若い選手は準備できていないかもしれない。そういう選手はプレッシャーという罠に引っかかるかもしれない」

―(イラクメディアの質問)イラクの印象は? 日本のレベルも最近そんなに高くないように見えるが、それはなぜか?
「イラクのチームのことは知っている。ここ最近の7、8試合を見た。このチームが十分に若いことも把握している。メンバーの80%が五輪を経験している。彼らがどのようなプレーをするかは完璧に把握している。我々に困難なことを仕掛けてくるかもしれない。

 日本に関しては、このチームのリズムが落ちているかは分からないが、そうは思わない。1年前にイラクに4-0で勝った。日本が素晴らしい試合をした。私の困難はサッカー面ではない。違う分野で困難さを感じている。イラクは長い期間、合宿できたが、我々にはない。疲労回復の時間もあまりない。ただ、日本チームにはまだまだ最終予選を突破するだけのクオリティーはある。明日は勝つと思う」

―ミーティングを減らすなど、試合へのアプローチを変えたことで手応えは?
「回数を減らしたというのはだれから聞いたのですか? 選手に少し話したが、2日間で準備しなければいけない。素晴らしいだけでなく、本当に素晴らしい試合をしないといけない。15分のミーティングですべてを説明するのは不可能。2日間でかなりたくさんのことをしなければいけない。選手が疲労しているのは知っているし、本来ならトレーニングさえもできない状況。12時間、14時間かけて飛行機で移動してきて、ジョギングだけでもかなり大変なこと。グラウンドでそこまでトレーニングできないので、まずはミーティングルームで時間を割くことを大切にしなければいけない

 いろんなことを説明しないといけない。相手のことも話さないといけないし、自分たちのことをも話さないといけない。着いたばかりの選手は長いと感じるかもしれないが、私はこのやり方を続ける。短くするトライはするが、試合前に全選手が相手が何をするか、我々が何をするか完璧に把握している状態にしたい。どのように守備をするか、どのように攻撃するか。相手の長所はどこか、短所はどこか。それには時間が必要だ。選手によっては『ちょっと長いな、疲れたな』と言う人もいるかもしれない。何人かの選手には習慣化されていないかもしれない。大体のミーティングは試合前の10分、15分で終わるというのが習慣化されているからだ。ただ、私はまったく違うアプローチをしている。ディテールを選手に渡している。個人でも、グループでも、全員そろったときもそうだ、それには本当に時間がかかる。これに関しては変更できないのかなと私は思っている」

(取材・文 西山紘平)

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