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U-19日本代表が磐田と直前調整試合。10年ぶり世界切符へ体と心を準備

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 10月5日、AFC U-19選手権を控えるU-19日本代表が、静岡県内の合宿の締めくくりとしてジュビロ磐田およびジュビロ磐田U-18と練習試合を行った。バーレーンへの出発を翌日に控えた段階での国内最後の試合となった。ただ、腕試しや強化試合というよりは、「あくまでも調整の一環」(内山篤監督)に力点が置かれる中でのゲームとなった。

 日本のスターティングラインナップはGKに小島亨介(早稲田大)、DFは右から藤谷壮(神戸)、冨安健洋(福岡)、中山雄太(柏)、舩木翔(C大阪U-18)。中盤の中央には原輝綺(市立船橋高)と神谷優太(湘南)が並び、左右のMFには三好康児(川崎F)と堂安律(G大阪)の“ダブルレフティー”。そして2トップは、どちらもストライカータイプの小川航基(磐田)と岸本武流(C大阪)が組んだ。負傷を抱えるDF初瀬亮(G大阪)は「大事を取って」(内山監督)出場せず、同じく痛めている箇所のある坂井大将(大分)も強度の高い内容になることが予想された1本目への出場は回避した。

 対する磐田はMF山本康裕川辺駿、DF石田崚真といった「かつてU-19日本代表で悔しい思いをした(予選敗退した)選手たちをぶつけてきてくれた」(内山監督)。序盤はそんな相手に対して、「立ち上がりはプレッシャーも速い中で少しバタバタしてしまった」(神谷)ものの、徐々に内容も改善。三好が意欲的な突破を見せれば、堂安も裏への飛び出しから好機を作り、また両サイドバックの攻撃が形になるシーンも出てきた。37分には堂安の飛び出し、39分には藤谷のクロスを岸本が合わせる好機もあったが、いずれもゴールには至らず。また「(チームで)2本しか打てていない」と神谷が語ったように、押し気味になった時間帯も、結局フィニッシュで終われたシーンは少なかった。

 2、3本目は磐田U-18が相手となり、ゲームの強度も必然的に落ちる流れとなったが、2本目の6分にボランチに上がっていた冨安が鮮やかなドリブルシュートを叩き込むと、MF遠藤渓太(横浜FM)も2得点。特に2点目は右サイドで受けてからのカットイン、GKを観ての冷静なシュートと見事な形だった。さらに3本目の終了間際には、DF岩田智輝(大分)のクロスからFW岩崎悠人(京都橘高)が頭で合わせて、追加点。トータル4-0での勝利となった。

 もっとも、試合結果にフォーカスするような位置づけのゲームではない。選手の普段の試合出場状況を観ながら個々の出場時間をコントロールしたという内山監督は「いい状態で合宿に入ってきた選手もいれば、疲れている選手もいる。まずは(コンディションを)そろえることが大事で、もう一つは気持ちの部分」と、体と心の支度を調えることが合宿と試合の狙いだったことを明らかにしている。

 チームは試合翌日の6日に日本を出発。長いフライトを経て、7日朝にUAEのドバイへ。そこでショートキャンプを行うが、その意図は「暑熱対策」(内山監督)。10日は地元のクラブチームであるアル・ワスルと最後の練習試合を行い、11日にバーレーン入り。14日の初戦(対イエメン)に備えることとなる。

「突破できる自信はある」と断じたのは堂安だったが、チームが元来持っている明るく前向きな雰囲気がここに至っても維持されているのはポジティブな要素だろう。目指すは10年ぶりの世界切符。東京五輪世代のアジアでの挑戦が、いよいよ始まる。

(取材・文 川端暁彦)
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