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[国体少年男子]「小さくてもできることを証明していきたい」登録150cmの神奈川県MF榊原は大阪苦しめるも無念の敗退

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(写真協力 高校サッカー年鑑)

[10.5 国体少年男子準決勝 大阪府 2-1 神奈川県 遠野運動公園多目的運動広場]

 登録150cmの小さなMFが全力でGKにプレスをかけ、スライディングしてボールを奪おうとし、攻撃時にはボールを触れていなくてもおとりになる動きを繰り返して前線でコンビを組むFW栗原秀輔(横浜FMユース、1年)らを上手く活かしていた。そしてボールを持てば、そのスキルの高さでチャンスメーク。神奈川県のMF榊原彗悟(横浜FMユース、1年)は準決勝で敗れたものの、大阪府を苦しめた一人だった。

 大阪は後半半ばから1ボランチの4-5-1システムをダブルボランチの4-4-2へスイッチ。このシステム変更は、自身がおとりになって追撃ゴールに絡むなど活躍していた榊原の“存在を消す”“ゲームから追い出す”という明確な目的があった。ここから榊原の存在感が薄れていったような印象。彼はショートコーナーから絶妙な切り返しでDFを抜き去って決定的なチャンスもつくったが、チームは1-2で敗退となった。

 試合後は悔しさを滲ませていたが、それでも小柄なMFは「明日の3位決定戦で勝って終わりたい」と前を向いた。「きょうはミスも多かったですし、この間の試合(1ゴールを決めた準々決勝・青森県戦)のようなプレーできなかったので悔しいですけれども、最後まで神奈川のサッカーが出来たと思います」

 今回の国体では大会を通して存在感を示してきた。「守備はまだ全然なんですけど身体が小さくてもできることを証明していきたい」というMFは相手をよく見て頭を働かせ、走り、1タッチパス、ドリブル、スルーパスを発揮。球際の攻防にも臆することなく突っ込んでボールを奪うシーンもあった。「自分のプレーはしっかりできたと思いますし、スルーパスだったり、ゴールに繋がるプレーもできたと思うので、この大会は自信になりましたし、青森戦で点取ることもできたので良かったと思います」。だが、これからプロの世界へ駆け上がっていくためにはまだまだやらないとならないことがある。

「自分は前の方の選手なので、とにかく得点に絡むことと試合を決定づける仕事をもっと増やしていきたい」。この日のような苦しい展開でも試合を決める選手に、そしてメンタルの面でも、プレーの面でもより強い選手になって、次のステージでまた印象的な活躍を見せる。

(取材・文 吉田太郎)
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