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課題残すも「困難を乗り越えた方が成長できる」、ポジティブに捉える麻也

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笑顔でサポーターに勝利を報告するDF吉田麻也

[10.6 W杯アジア最終予選 日本2-1イラク 埼玉]

 引き分けすら許されない状況で迎えたイラク戦。しかし、1-1のまま試合終盤を迎えると、DF吉田麻也(サウサンプトン)が最前線へと上がっていった。

 判断を下したのはピッチ上の選手たちだったようだ。吉田が振り返る。「ハセさん(長谷部誠)や皆から『行け』と言われたし、僕もタイミングを見て行こうと思っていた」。最前線に入った背番号22は、最後方から打ち込まれるロングボールに幾度となく競り勝ち好機を創出する。そして、後半アディショナルタイムには後方からのパスが左サイドに流れたものの、必死に追い掛けてボールをキープして相手のファウルを誘う。すると、このプレーで得たFKの流れからMF山口蛍(C大阪)の決勝点が生まれた。

 劇的な勝利で勝ち点3を得たものの、攻守に課題を残したことで吉田の表情は晴れない。失点はFKからヘディングで決められたものだが、それ以前に「セットプレーを与える回数を減らせるようにしたい」と語る。次戦の対戦相手であるオーストラリアは「今日以上にセットプレーや空中戦を武器にしてくる」。日本代表には「(身長の)高い選手が少ないので、セットプレーの回数は減らしていきたい」と修正点を挙げる。そして、攻撃面でも「裏に蹴るのか、足下でつなぐのか、バランスをうまく使い分けながらやっていかないといけない」と課題を挙げた。

「内容は改善しないといけないところがたくさんある」と厳しい表情を見せながらも、「チームとしてはこういう困難を乗り越えていったほうが成長する。ある意味チャンスじゃないかなとポジティブに考えています」と前向きに捉えて困難を乗り越えていこうとしている。

(取材・文 折戸岳彦)

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