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[選手権予選]中央学院の“もう一人の上手いヤツ”10番MF空は将来、フットサルの世界で飛躍も

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中央学院高の10番、MF空涼介(3年)

[10.10 全国高校選手権千葉県予選決勝T1回戦 中央学院高 3-1 東海大市原望洋高 中央学院大学つくし野総合G]

 この日、トップ下の位置から繰り返しドリブルで仕掛け、3ゴールを演出した中央学院高MF児玉駿斗主将(3年)は「10番はあっこでただパス回しているだけで、(本当は)ドリブルめっちゃ上手いんで。(前に行きたい気持ちを)抑えているだけなんで。自分が自由にやらせてもらっているだけ。めっちゃ感謝しています」と評していた。ドリブル軍団・中央学院の中でも際立って魅せる児玉が認める“もう一人の上手いヤツ”、それが10番のMF空涼介(3年)だ。

 空は前半、ボランチの位置でボールを失わずに左右にボールを振り分け続け、東海大市原望洋高の守りを揺さぶっていた。相手に寄せられても軽くいなして前進してしまうテクニックの持ち主。自身の特性について「サイドに振れることだと思う。(中央学院は)縦に速いサッカーじゃないので、サイドに振ってから、(チームメートは)1対1とか強いので仕掛けて行ったり。捌くのが自分の仕事なんで、自分が行くというよりも周りを使ってどう崩すかを考えている」。前線、中盤の選手たちの仕掛けを後方でサポート。味方が奪われたり、引っ掛けられてボールがこぼれた瞬間に奪い返す守備も効いていた。

 この空は今後、フットサルの世界で活躍する可能性が高そうだ。「小学校の時にバーモンドカップ出てみて負けたんですけど、フットサルの方が楽しかった。スピード感違いますし、フットサルはみんなで攻めて、みんなで守る。あとゴールに絡む回数が多い」とフットサルの世界に魅力を感じ、本格的なサッカーはこの選手権までになる可能性が高いという。実際、夏の全日本ユース(U-18)フットサル選手権大会ではチームの8強入りに貢献し、関係者から高い評価を得ていたということ。大学でサッカーを続ける児玉同様に、ドリブル軍団の“もう一人の上手いヤツ”の将来も楽しみだ。

 中央学院の浜田寛之監督は「児玉、空が爆発してくれたら今年は面白い。スイッチ入った2人が見たい」。この日、どこか余力を残しているような印象があったことは確か。なりふり構わず、プレーした際にどのような力を発揮するのか。昨年、市立船橋高と戦った準決勝では先制しながらも逆転負け。「いつものプレーができなかった。去年からキャプテンと2人だけ出ていて去年経験しているからチームに浸透させられるものがある。それでチームを引っ張っていけたら」。この秋、全力でサッカーに集中して目標をクリアし、将来の活躍へのステップとする。

(取材・文 吉田太郎)
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