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原口3戦連発も痛恨PK献上…ハリルJは敵地で豪州とドロー

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前半5分に3戦連発となる先制点を決めたFW原口元気

[10.11 W杯アジア最終予選 日本1-1オーストラリア メルボルン]

 ロシアW杯アジア最終予選は11日、第4節を行い、日本代表はオーストラリア・メルボルンのドックランズスタジアムでオーストラリア代表と対戦し、1-1で引き分けた。日本は前半5分にFW原口元気が3戦連発となる先制点を決めたが、後半7分にPKで失点。試合はそのままタイムアップを迎え、勝ち点1ずつを分け合った。

 DF酒井宏樹が累積警告で出場停止の日本は6日のイラク戦(2-1)から先発4人を変更。イラク戦に左SBで先発したDF酒井高徳が右SBに回り、左SBにはDF槙野智章が入った。槙野が左SBで先発するのは13年7月28日の東アジア杯・韓国戦以来、約3年ぶり。中盤ではMF香川真司とMF山口蛍が2試合ぶりに先発復帰し、6月3日のキリン杯準決勝ブルガリア戦(7-2)以来の先発となったFW小林悠が右サイドハーフに入った。FW本田圭佑は1トップで先発。12年10月16日にポーランドで行われた国際親善試合ブラジル戦(0-4)以来、約4年ぶりに最前線に位置した。[スタメン&布陣はコチラ]

 最終ラインからパスをつないでビルドアップするオーストラリアだが、そのミスを突いた。前半5分、敵陣で相手のパスミスを原口がカットすると、MF長谷部誠の縦パスを受けた本田がワンタッチでスルーパス。ゴール前に走り込んだ原口がGKとの1対1から冷静に左足で流し込み、3戦連発となる先制点を奪った。

 W杯アジア最終予選での3試合連続ゴールはアメリカ大会予選のFW三浦知良、フランス大会予選のFW呂比須ワグナー以来、史上3人目。オーストラリアの出鼻をくじく先制点となった。その後もボールを回して攻撃を組み立てるオーストラリアだが、パスミスが目立ち、なかなかチャンスをつくれない。それでもセットプレーはチャンスとなり、前半18分、MFアーロン・ムーイの右FKに合わせたFWトミ・ユーリッチのヘディングシュートはわずかにクロスバーを越えた。

 日本は前線で本田が体を張り、攻撃の起点となる。原口もキレのある動きで相手を翻弄。前半28分には長谷部のサイドチェンジを受けた原口が左サイドから中に切れ込み、右足でミドルシュートを打ったが、ゴール左へ。同29分にも左サイドでボールをキープした原口がマイナスに折り返し、本田が左足を振り抜いたが、惜しくもGKにキャッチされた。

 流れの中ではなかなか効果的な形をつくれないオーストラリアだが、セットプレーは相変わらず脅威だった。前半32分、正面やや右の位置でFKを獲得すると、MFミル・ジェディナクが右足で直接狙ったが、GK西川周作がパンチングで弾き出す。前半のボール支配率はオーストラリアの67%に対し、日本は33%。しかし、日本にとって危ない場面はほとんどなく、そのまま前半を1点リードで折り返した。

 ところが、後半立ち上がりの6分に一つのミスから同点に追いつかれた。オーストラリアは左サイドをオーバーラップしたDFブラッド・スミスのグラウンダーのクロスがファーサイドに流れ、ユーリッチがキープしようとしたところで後方から原口に倒され、PKを獲得。これをジェディナクが落ち着いてゴール中央に決めた。

 試合を振り出しに戻したオーストラリアは後半12分、FWアポストロス・ギアンヌに代えてFWロビー・クルーズを投入。同24分にはユーリッチに代わって過去の日本戦8戦5発のFWティム・ケーヒルがピッチに入った。36歳の“日本キラー”の登場に場内も大歓声に沸いた。

 なかなかボールをキープできず、劣勢の展開が続く日本だが、後半29分、ようやくビッグチャンスをつくる。浮き球のロングパスに反応した酒井高が右サイドのスペースに駆け上がり、ダイレクトでクロス。小林がヘディングで合わせたが、GKマット・ライアンの好セーブに遭い、代表初ゴールとはならなかった。

 日本ベンチはFW浅野拓磨を呼ぶが、直後に小林が競り合いで右足を痛めたため、交代を待つ。ピッチの外に運び出された小林はプレーを続行できず、後半36分、代わってMF清武弘嗣を投入した。オーストラリアも同37分に最後の交代カードを切り、ムーイに代えてMFマシュー・レッキーを投入。日本は同39分、今度こそ本田に代わって浅野をピッチへ。直後には浅野がオフサイドを取られた判定にハリルホジッチ監督が激怒。副審に詰め寄り、猛抗議した。

 オーストラリアは後半43分、MFマッシモ・ルオンゴの右FKにDFマシュー・スピラノビッチが頭で合わせるが、クロスバーの上へ。ヒヤリとさせられた日本は後半アディショナルタイムに原口を下げ、代表デビューとなるDF丸山祐市を投入したが、試合はそのままタイムアップ。敵地での大一番は1-1の引き分けに終わった。

(取材・文 西山紘平)

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