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生え抜きとしての自覚…21歳関根が「優勝が決まったときに思った」こと

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生え抜き選手としての浦和のタイトル獲得に貢献したMF関根貴大

[10.15 ルヴァン杯決勝 G大阪1-1(PK4-5)浦和 埼玉]

 喜びよりも安堵のほうが大きかった。浦和レッズの下部組織で育ち、14年にトップチーム昇格を果たして3年目。MF関根貴大はクラブにとって9年ぶりとなるタイトル獲得の瞬間をピッチで迎えた。

「優勝が決まった瞬間、ベンチではなく、ピッチにいられたことはうれしかった。レッズに関わるすべての人が喜んでくれて、自分も本当に良かった」

 日本を代表するビッグクラブでありながら、毎年のように大事なところでタイトルを取りこぼしてきた。その生え抜き選手として感じてきた責任とサポーターからの期待。「タイトルを取らないといけないというのは1年目からそうだった。取れるチャンスは毎年毎年あった」と振り返る。

 この日は右サイドハーフで先発。MF宇賀神友弥が負傷交代してからは左サイドに回った。上下動を繰り返し、何度となくゴール前に顔を出したかと思えば、守備でも奔走。延長戦に入ってもG大阪の右SB米倉恒貴と激しいマッチアップを繰り広げた。

「最後は足がつっていたけど、全員がハードワークして走り切った結果、報われたのが良かった」。120分間フル出場を果たした末のタイトル獲得。それでも「うれしい気持ちと悔しい気持ちが半々」と言う。

「自分がチームを勝たせるぐらいの選手にならないといけない。もっともっとこのチームを引っ張っていける存在になりたいと、優勝が決まったときに思った」。生え抜きとしての自覚。21歳の若武者は初タイトルに満足することなく、さらなる高みを見据えた。

(取材・文 西山紘平)

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