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「大谷選手が与えてくれた舞台」 仲間に感謝の西川が“自分信じて”PKストップ

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PKストップでチームにタイトルをもたらした浦和レッズGK西川周作

[10.15 ルヴァン杯決勝 G大阪1-1(PK4-5)浦和 埼玉]

 120分間を戦い終えて1-1。勝敗の行方が委ねられたPK戦で、浦和レッズGK西川周作は一つ先をイメージしていた。

 PK戦の先攻はG大阪だった。1人目のキッカーとなるMF藤本淳吾が西川から見て左に蹴ると、反応した西川は左に飛んだものの、ボールには届かずにネットを揺らされた。しかし、ここには狙いがあった。「多少、反応が遅れても、蹴られたボールに対して行こうと思っていた」。それは、なぜか。「その後のキッカーにプレッシャーを与えられると思った」からだ。

 2本目は真ん中に蹴られ、自身は左に。3本目は同様に右に蹴られ、自身は左に飛んだ。相手にプレッシャーを掛けながらも、西川は一つのイメージを頭に描いていた。「絶対に1本は真ん中にくると思っていた。向こうの意識的にも西川はサイドに飛ぶという情報が入っていたかもしれないし、今までの自分がそうだった」とゴール中央をケア。すると、4人目のキッカーFW呉屋大翔のシュートに対し、サイドには飛ばずに足で反応して弾き出した。「動かないように決めていたので、自分を信じて良かった」と安堵の表情を見せた。

 浦和はACLに参戦していたため、ルヴァン杯には決勝トーナメントから出場。しかし、西川は日本代表に選出されていたこともあり、準々決勝、準決勝のゴールマウスはGK大谷幸輝に託されていた。その全4試合で大谷がゴールを守り、チームが勝利を収めてきたからこそ、西川は決勝の舞台に立つことができた。そして、チームにタイトルをもたらすことができた。

「この舞台は、大谷選手が準々決勝、準決勝を戦ってくれて、与えてくれた舞台でした。だからこそ、何としても勝たなければという責任があったので、その中でもしっかり勝てて本当に良かった」。決勝まで導いてくれた仲間とともにタイトル獲得の喜びを味わえたことに、満面の笑みを浮かべた。

(取材・文 折戸岳彦)
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