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[選手権予選]学習院健闘も、2年連続ファイナリストの堀越が終了間際の決勝点で準決勝へ:東京A

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堀越高MF小磯雄大が個人技でサイドを攻略する

[10.15 全国高校選手権東京都Aブロック予選準々決勝 堀越高 1-0 学習院高 清瀬内山運動公園サッカー場]

 15日、全国高校サッカー選手権東京都Aブロック予選準々決勝が行われ、堀越高が後半38分にMF齊藤一輝(3年)が決めた決勝点によって学習院高に1-0で勝利。堀越は11月5日の準決勝で関東一高と戦う。

 2年連続ファイナリストの堀越が苦しみながらも準決勝へ駒を進めた。序盤から攻め込んだ堀越は前半16分にMF小磯雄大(3年)が個人技で右サイドをこじ開け、最後は齊藤が右足で合わせるもシュートは枠外。MF広瀬智也(3年)の配球から右の小磯、左の齊藤の両翼がドリブルで主導権を握るなど押し込んだ堀越だが、2回戦で駒場高を破って勝ち上がってきた学習院はCB内田隆太郎(3年)とCB林遼太朗(3年)の両DF中心に辛抱強い守りを見せる。堀越は序盤の決定機を逸したことも響いて前半を0-0で折り返した。

 引いて守り、“危険人物”の小磯をDF2人が上手く対応するなど徐々に相手のチャンスの数を減らした学習院はMF賀来幹土(2年)らがセカンドボールを拾うと、10番MF宮崎諒(3年)とFW細谷志温(2年)へ縦パスを入れて反撃。後半はカウンター攻撃から宮崎が連続してロングシュートにチャレンジするなど、押し込まれる中でも相手の隙を突いて一刺しすることを狙っていた。一方、堀越は佐藤実監督が「悪い展開ではないけれど、自分たちが(ボールを)持っているのに攻めれないという感じが非常にあった」という展開。致命的なミスもなくボールを保持し続け、相手に決定機を作られた訳でもなかったが、何とも息苦しい試合となった。

 小磯は「相手に流れを持って行かれると自分たち戻るのが遅くて、時間がかかってしまった。前半からチャンスあって、取れなくて、ズルズルいって、最後のところフィニッシュのところがダメなところだった。後半は相手のカウンターとかにやられてしまうところもあった」と振り返る。それでも堀越は17分のMF田中柊(3年)投入に伴い、齊藤を前線へ移動して「獲りに行く」配置転換。「(FWに入った時は)いいタイミングで間入ったり、顔出したりというところで上手く起点を作れたらいいと思っている」という齊藤が動き出しを繰り返し、33分には抜け出しから決定的な左足シュートを放つなど終盤にかけて攻撃のギアを上げていった。

 迎えた38分、堀越は右のオープンスペースへ抜け出したFW照井基也(3年)が中央へ折り返す。これを「いつもやっている形で入ってくるなと感じた。ちょっと遅れたんですけど、ラッキーな形でいいところに来た」という齊藤が右隅へ流し込んで決勝点。相手の特長を消しながら試合を進めた学習院の健闘が光った試合は、終了間際の決勝点によって堀越が勝利した。

 昨年は準々決勝で全国総体4強の関東一を破ってインパクトを残した堀越。延長戦の末に2-1で勝利した昨年に続き、今年の準々決勝も1点勝負の試合を苦しみながらも制した。今年こそ、決勝で勝利して全国へ。だが、選手たちは目の前の一戦に集中することを強調する。佐藤監督は現時点でまだ自分たちに勝ち抜く力がないことを認めた上で「相手に学ばせてもらって、経験しながら積み上がって行くものだと思っているので、そこ(決勝、全国)まで行ければいいですけど、目の前の試合をしっかり準備してやっていきたい」。そして1年時から決勝戦を経験している小磯は「(2年連続の決勝進出は)先輩たちがつくりあげたものだったりで経験させてもらったもの。恩返ししないといけないし、次勝てば目の前ということですけど、関東一高との試合に集中しないといけない」。

 昨年、一昨年と同じように先を見すぎることなく一戦集中。「自分たちの目標と、先輩たちへの恩返しという部分で勝ちにいかないといけない」(小磯)という準決勝、決勝を乗り越えて91年度以来となる全国への扉を開く。

(取材・文 吉田太郎)
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