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押し込みながらU-19日本代表は無得点かつ無失点。指揮官は0-0を「ポジティブに解釈」

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[10.17 AFC U-19選手権GL第2節 日本 0-0 イラン]

 序盤からボールを支配していたのは日本だった。「結構、最初からずっとボールを持っている時間が長い中で、前日練習していた形も出せた」とFW中村駿太(柏U-18)が振り返ったように、相手のアンカー脇でボールを引き出す形を使いながら、日本は攻勢を持続することとなった。イエメン戦のような過緊張状態もなく、試合への入りはスムーズだった。もっとも、「想定外のところもあった」(中村)。

 何が予想外だったかと言えば、イランのスタンスだろう。伝統的にアグレッシブなスタイルを持つ国だが、この日は立ち上がりから慎重に試合へ入ってきた。「もっと積極的に来ると思っていた。前線と中盤、最終ラインの間が広がらなかった」(中村)。4-1-4-1でしっかりブロックを作ってくるイランに対して日本は左右にパスを散らして揺さぶっていくのだが、なかなか有効打を繰り出せない。前半の決定機は、開始5分に堂安律(G大阪)のFKからDF中山雄太(柏)のヘッドがポストを叩いた1本のみ。逆にイランは一瞬のスキをついたミドルシュートとセットプレーから二つの決定機を作り出していた。

「思っていたより引いてきた」(DF舩木翔=C大阪U-18)イランに対して、日本は後半に入っても攻め切れない時間が続く。20分から29分にかけて、FW岩崎悠人(京都橘高)、MF原輝綺(市立船橋高)、MF三好康児(川崎F)と3枚のカードを立て続けに投入。35分にはパス交換と動き出しが組み合わされる見事な攻めから三好がこの試合最大の決定機を迎えるが、シュートはGKに阻まれ、こぼれ球に足を伸ばしたFW小川航基(磐田)も当たり損なってゴールならず。終盤は2度の決定機を相手に許すも何とかしのぎ、勝ち点1を分け合う形で、試合終了を迎えることとなった。

 内山篤監督は「残念だったのですけれど、引き分けで勝ち点1を取れたことをポジティブに捉えている」と前向きにコメント。“押し込みながら点を取れなかった試合”と総括するのは簡単ながら、「(カウンターの)リスク管理、セットプレーの高さを非常に恐れていたが、危ない場面もあったものの、全体的には選手がよく頑張ってくれた」というのは指揮官の本音ではあるのだろう。押し込みながら点を取れず、逆に相手に決定機が生まれた流れは、典型的な負けパターンでもあった。それをしのいで、最終戦へバトンをつなげたのは、決して悪いことばかりではあるまい。

 最終戦は引き分けだと苦しくなる星勘定で、勝ちにいくしかなくなった。20日に行われるカタールとの第3戦は「絶対に負けたくないし、自分たちで連続敗退の歴史を終わらせる」(舩木)ための、まさに決戦となる。

(取材・文 川端暁彦)
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