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[MOM1920]駒澤大高DF村上哲(3年)_展開一変させ、ゴールも生み出した左足。ポテンシャル十分な長身SB

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.16 全国高校選手権東京都Bブロック予選準々決勝 駒澤大高 5-0 専修大附高 実践学園高尾G]

 駒澤大高の大野祥司監督はこの日、強いチームの空気を作ることができず、どこかまとまりを欠いたチームを厳しく指摘していた。だが、交代出場組などのプレーについては及第点。「センスはある。能力は高いです」と認める左SB村上哲(3年)の効果的な左足キック、80分間の攻守についても評価していた。 

 村上は前半にその左足CKで右SB高橋勇夢(3年)のゴールをアシスト。ファーサイドへ見事にコントロールしたボールがチームの2点目をもたらした。昨年度の選手権でも自信を持っている左足クロスや空中戦、対人での強さで目を引いていたが、特に自信を持っているのはキックの質。この日は逆サイドへのボールを蹴り込んで展開を一発で変え、ここに来てキッカーを任されるようになったセットプレーでのアシストなど、自慢のキックで魅せていた。

「『対角はオマエ蹴れる』とみんな言ってくれる。去年から狙ってやっているのでそこはこだわっている」と村上。その左足に加えて「最近上がるのが楽しくなってきている。今までは1対1とか勝負しなかったんですけど、最近かわすのが楽しくなってきた」という攻撃参加にも注目だ。「まずチャレンジしていなかった。今までは無理かなと思っていた」が緩急や身体の強さを活かした仕掛けでDFのマークを外すことに手応え。そこからの高精度クロスをなど、駒大高の左サイドからの攻撃はより強力なものになりそうだ。

 この日は点差が開いた後半にスローインの判定を巡って主審に異議を唱え、コーチングスタッフから「めっちゃ怒られてしまって……」。感情をコントロールできなかったことで試合後は反省しきりだった。その点など課題もあるが、能力値はチームトップレベルと認められている。3年生として迎える今年の選手権では昨年以上の存在感を放つか。「去年の選手権は2年生だったので気負いせずに伸び伸びプレーできたので成長できたと思う。最上級生になって同じでは勝てないと思うので責任感持ってやらないといけない」。日々自覚を持って行動し、チームの最低限のレベルを引き上げるつもりでいる。

 CBでもプレー可能な長身DF。理想のSB像は「対人で負けないこと。1対1ってどんなチームいっても絶対に要求されると思うので、負けないSBになりたい。そして攻撃参加もできるユーティリティーなSBが理想です」。CB佐藤瑶大や高橋らハイレベルな選手が並ぶ駒大高の最終ラインの中でもポテンシャル十分な左サイドには、まだまだ伸びしろがある。

(取材・文 吉田太郎)
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