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正念場で初出場、関西のレジスタ・市丸瑞希が日本を勝利に導く

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MF市丸瑞希(G大阪)は初先発ながらも試合をコントロール。MOM級のプレーで快勝に貢献した

[10.20 AFC U-19選手権GL第3節 日本 3-0 カタール]

 初出場の男が正念場の一戦で存在感を示した。AFC U-19選手権グループステージ第3戦。前回優勝国カタールを向こうに回して勝つしかないというシビアなシチュエーションだったが、MF市丸瑞希(G大阪)は冷静で前向きなプレーでチームを引っ張り、3-0での快勝の立役者となった。

 もっとも、決して初出場のプレッシャーを感じていなかったわけではない。「こんなに緊張したことはなかった」と苦笑いを浮かべながら振り返る。前夜は「緊張し過ぎて何度も起きてしまった」そうで、「君が代を聴いているときは、もう“ヤバかった”。負けたら終わりで、代表としての国際大会の公式戦も初めて。正直、足が震えていた」と笑う。ただ、それもボールに触るまでだった。「ファースタッチをしてからはいい感じになった」。根っからのボールプレーヤーは、やはり愛する“友達”に触れることで恐怖感を振り払った。

 上からピッチを観ているこちらからすると、そんな心理状態とは夢にも思わなかった。ボールを持てば強気のチョイスをしばしば選択。「自分が試合に出たら、リスクがあっても、もっと縦にパスを入れていきたい」と事前に語っていたとおり、立ち上がりから攻撃を加速させる。「フリーで受けて前を向けて、小川と(岩崎)悠人が裏に抜けてくれたので」と言うように、2トップを操って相手のディフェンスラインを押し下げ、その手前にサイドハーフが生きるスペースを作り出した。そのパスワークは、「うまいですね」とMF堂安律(G大阪)があらためて感嘆したほど。守っても的確な位置取りでパスを遮断しつつ、球際の戦いになっても負けることなくボールを奪って、カタールを調子づかせることはなかった。

 試合終了後、「めっちゃホッとしました」と笑った関西のレジスタは、同時に「やれる自信はついた」と力強かった。もちろん、ここがゴールでないことも分かっている。目指すは「いままで先輩たちが越えられなかった壁を越える」こと。24日の準々決勝も、市丸瑞希が日本のキーマンとなりそうだ。

(取材・文 川端暁彦)
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