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岡崎慎司はポジションをつかめたのか? 過熱するレギュラー復帰待望論と“心の準備”の必要性

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22日のクリスタル・パレス戦で今季初ゴールを記録したレスター・シティFW岡崎慎司

 レスター・シティに所属する日本代表FWの岡崎慎司は、22日に行われたプレミアリーグ第9節のクリスタル・パレス戦でゴールを決め、チームを勝利に導いた。得点シーン以外でもフィールドを躍動。走行距離11キロと、チームトップとなるスプリント回数を記録した。

 岡崎が潤滑油としての役割を担ったことでレスターのパフォーマンスが向上したことから、試合後には英国メディア、指揮官、チームメイトから称賛された。地元紙の『レスター・マーキュリー』が「オカザキがすべてを一変させた」と書けば、イギリスの英国放送『BBC』のフットボールハイライト番組『マッチ・オブ・ザ・デイ』ではマン・オブ・ザ・マッチに選出された。本国イングランドで高い評価を得ていることは間違いない。

 もっとも、この1試合だけで「ポジションを得られる」と結論付けるのは時期尚早だろう。

 クラウディオ・ラニエリ監督が試合後に「私はチームのためにハードワークをするシンジが大好きなんだ。ファンタスティック」と称賛していたように、岡崎が改めて存在価値を示し、評価を高めたことは確かだ。

 しかしながら、ラニエリ監督は今シーズン、ターンオーバー制の導入を明言している。実際、クリスタル・パレス戦では不動のエースであるFWジェイミー・バーディを外し、岡崎とFWイスラム・スリマニの2トップを選択した。

 もともと指揮官はチェルシーを率いていた時代に代表されるように、チームの戦術や起用する選手を頻繁に変える「ティンカーマン」の一面を持っている。昨シーズンはメンバーを固定することで連係を高めて“ミラクル”を演出したが、今シーズンは起用できる選手の選択肢が増えたことやチャンピオンズリーグへの参戦という日程的な変化もあって、再び“いじり屋”の顔を取り戻している。

 よって、(そうは考えたくないところではあるが)次節やその次に岡崎が起用されない可能性は十分に考えられる。期待が膨らみ過ぎているがゆえに、「次も先発」と当然のように考えてしまいがちではあるが、ティンカーマンがティンカーマンたるゆえんを発揮する可能性があることを考慮し、見守る側としては心の準備をしておく必要があるだろう。

 ただし、岡崎の献身性やスプリント力は次節アウェーで行われるトッテナム戦でチームにいい影響を与えるはずだ。『レスター・マーキュリー』も「トッテナム戦でも岡崎を起用すべきか?」という記事で「YES」という結論を導き出している。

 果たして岡崎は先発をつかめるのか? “心の準備”をしつつ、指揮官がどのような判断を下すのか、決断の時を待ちたい。


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