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[MOM1927]昌平MF山下勇希(2年)_磐田内定・針谷も「上手い」と認める才能、相手の司令塔封じを攻略

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.29 全国高校選手権埼玉県予選3回戦 昌平高 3-0 埼玉栄高 昌平高G]

 昌平高ジュビロ磐田内定の司令塔・MF針谷岳晃(3年)が埼玉栄高のマンマークを受けた。だが、それでも攻撃の組み立ての質が大きく低下しないところがチームの強み。針谷自身も相手のプレスをかいくぐって2得点に絡む活躍を見せていたが、この日は針谷が「アイツは上手いんで、ファーストタッチとか」と評する2年生MF山下勇希のゲームメーク、試合を決める仕事が光った。

「最近の中では調子良かったです。間で受けることを(藤島)監督に言われていた。前向くことを意識して、できるだけ下げないようにしていました」という山下は右サイドから中央寄りの位置でボールを受けると鋭いターンで前を向いてゴール方向へ前進。そのドリブル、パス交換など攻撃の中心的役割を果たしていた。そして1-0の後半24分には右サイドのゴールライン際で相手GKからボールを奪うと、角度のない位置から左足でゴール。本人はその前にあったチャンスで決められなかったことを反省していたが、それを取り戻して勝敗の行方を決定づけた。

「こういうゲームになった時に(相手が)針谷に来るというのは分かっていた」という藤島崇之監督は山下について「インターハイ通じて信頼を勝ち取っている面がある。針谷にない良さと針谷にできないことを山下ができたり。もちろん逆も多いですけれども、(これから)チームの中心のひとりになっていくかな」と期待する。総体予選までは交代出場が多かったというが、全国ではスタメンの一人としてチームの躍進に貢献。まだ針谷に比べるとボールをロストしている回数が多いが、今後その数を減らしていけば、スキルも高いだけにさらなる飛躍を遂げる可能性がある。

 全国総体で名を挙げ、U-19日本代表入りし、磐田内定を勝ち取った針谷やサンフレッチェ広島内定のMF松本泰志(3年)の存在は刺激になっている。「インハイ全国出て人生変わるんだなと思いましたし、自分も選手権でアピールして、来年もインハイで出て、自分もプロへの道を掴み取れるようにやっていきたいです」と誓う。浦和レッズジュニアユースからユースチーム昇格を果たすことができずに悔しい思いを持って昌平へ進学してきた山下。夏は当時のチームメートからもエールを受けて奮闘したが「ベスト4で負けて悔しかったです」。だからこそ、この冬は「今度は日本一になりたい」という目標を達成し、自身もアピールして先輩たちのように将来を切り開く。

(取材・文 吉田太郎)
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