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[関東]粘りの勝利…駒澤大が専修大に完封勝ち!!残留確定させ、インカレ出場へ望み

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駒澤大が完封勝利で2連勝、残留を決めた

[10.30 関東大学サッカーリーグ1部第20節 駒澤大1-0専修大 味スタ西]

 第90回関東大学サッカーリーグ1部の第20節が30日に行われた。味の素スタジアム西競技場の第1試合では、駒澤大専修大に1-0で勝利し、2連勝。今季2試合を残し、11位以下と勝ち点7差に開いたために1部残留を決めた。敗れた専修大は連勝が3でストップ。残留を決めることはできず、降格圏と勝ち点4差でラスト2試合を戦う。

 駒澤大がリーグ戦で7年ぶりに専修大に勝利した。最後に勝ったのは2009年9月16日に行われた関東大学リーグ第14節(2-0)。以降はリーグ戦で勝てずにいたが、ようやく白星を手に入れた。

 この日の駒澤大は、前節で退場したためDF星キョーワァン(1年=矢板中央高)が出場停止。代わって、CB伊勢渉(2年=神戸国際大附高)が先発。前節が大学リーグデビューだったルーキーGK松村優太郎(1年=長崎総合科学大附高)が2戦連続でゴールマウスを守った。

 また、本職は右サイドのDF熱川徳政(3年=藤枝東高)を左SBのポジションへ配置。秋田浩一監督が「(熱川は)彼も身体も強いし足も速い。2番(飯田)の子が上がってきて、11番(佐藤)と2対1を作られるとかなり怖いので」と、その意図を明かしたように、相手右サイドの清水内定DF飯田貴敬(4年=野洲高)とMF佐藤遵樹(4年=千葉U-18)を警戒する形での抜擢となった。

 立ち上がりから駒澤大が果敢に攻め込んだ。開始3分には右サイドから仕掛けたMF吉岡雅和(4年=長崎総合科学大附高)がニアサイドへクロスを入れる。飛び込んだMF中原輝(2年=ルーテル学院高)のシュートは枠を外れた。その後も中盤でボールを奪っては、前へ前へつなぎ、専修大を押し込む。

 前半15分には相手GKのミスを突き、敵陣PA内でこぼれを拾う。最後は中原がシュートを放つが、慌てて戻ったGKに阻まれた。大きくボールを蹴る駒澤大と、それに釣られるかのように前へ攻め急ぐ専修大。落ち着かない状況が続く。

 すると前半23分に先制点。MF大村英哉(3年=聖隷クリストファー高)のパスを受けた中原が左クロスを上げ、中で待ち構えていた吉岡がヘディングシュート。吉岡の今季10点目が決まり、駒澤大が1-0と先制に成功した。

 相手のパワーに圧倒されたのか、サポートがいない前線へ次々とボールをつけていく専修大は、なかなかリズムに乗り切れず。単発的な攻撃で終わり、ボールを失うシーンも続いた。それでも前半30分過ぎから、ようやく中盤にボールが収まりだすと、持ち前のテクニックが活きはじめる。

 右サイドから佐藤がドリブルで持ち込み、PA内でショートパス。これはGKに阻まれた。前半32分には攻撃参加した飯田がPA内右へ切れ込む。パスを受けたFW下田悠哉(2年=三菱養和SCユース)のシュートはGKに止められた。同43分には下田やMF三沢直人(3年=西武台高)を経由し、右サイドから仕掛ける。最後はFW中山克広(2年=麻布大附高)がシュートを放ったが、またもGKにブロックされた。終盤に攻勢を強めた専修大だったがゴールネットは揺らせず。0-1で前半を折り返した。

 迎えた後半、専修大はMF野田卓宏(4年=大津高)に代わって、MF大戸岬(4年=藤沢清流高)を投入する。飯田と佐藤のいる右サイドから幾度も仕掛けるが、あと一歩のところで熱川にブロックされるなど、攻めきれない。カウンターから押し込み、サイドからクロスを入れるがDF宮坂瑠(4年=三浦学苑高)や伊勢に弾かれた。

 対する駒澤大はカウンターからチャンスメイク。後半18分には吉岡のシュートがクロスバーを叩き、跳ね返りがあわやゴールインするかに思われたが、オフサイドの判定。追加点は奪えない。同35分には左サイドから仕掛けた熱川がシュートを打つも、相手DFの背中にブロックされた。

 後半終了間際には幾度かセットプレーを得た専修大だが、GKにキャッチされるなど、1点が遠い。後方から走りこんでのミドルシュートを狙ったが、枠を捉えることはできなかった。結局、1-0で試合は終了。粘り強く耐え切った駒澤大が専修大を相手にリーグ戦7年ぶりの勝ち点3をもぎとった。

 試合後、駒澤大の選手たちは専修大相手の勝利、そして残留決定を大きく喜んだ。秋田浩一監督は「一人ひとりはそんなに強くなくても、チームで戦えれば、テクニックのあるチームにも勝てるというのは、学生も多少は学んだと思う。粘り強いサッカーのできるチームになっていってくれるかなと思います」と労った。

 しかし一方で百戦錬磨の指揮官は「(インカレへ出られるような)そんなチームじゃないので。あと2試合を全力でやって、久々に全国大会にも出たいなとは思いますけど。ここで喜んでしまうと大変なので……ちょっと今からチームを締めて、次につなげたいと思います」と勝って兜の緒を締めた。

(取材・文 片岡涼)

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