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高木善FK弾で東京Vが先制…愛媛は追いつくもPO進出可能性消滅

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[10.30 J2第38節 東京V1-1愛媛 味スタ]

 J2第38節が30日に各地で行われた。16位の東京ヴェルディは9位の愛媛FCと1-1で引き分けた。勝ち点1を上乗せするに留まった愛媛は、J1昇格プレーオフ進出の可能性が消滅した。

 敵地で戦った前節の札幌戦(2-1)で5戦ぶりの勝利を手にした東京V。流れをつなぐべく、先発は変更なし。負傷の影響でDF井林章が不在で、引き続きFW高木大輔がゲームキャプテンを務め、田村直也がDF平智広とCBを組んだ。
 一方で3戦連続ドロー中の愛媛は、前節・松本戦(1-1)から先発を一人変更。直近4試合で先発し、2得点を挙げていたMF白井康介がメンバー外でMF玉林睦実が5戦ぶりの先発起用となった。

 先に決定機をつくったのは東京V。前半9分、右サイドから攻め上がったFWドウグラス・ヴィエイラがPA内正面へクロスを入れる。待ち構えていた高木大が右足ボレーで狙うがGK児玉剛に弾かれた。その後の東京Vはシュートで終われない場面が続く。同24分にはカウンターから左サイドを上がったドウグラスが逆サイドへクロス。受けたMF高木善朗がミドルを狙うがクロスバー上へ大きく外れた。

 愛媛は前半6分、左サイドから仕掛けたMF表原玄太がマイナス気味のクロスをゴール前へ入れるも味方には合わない。同29分には表原から受けたMF小島秀仁が右足ミドルを狙うがDFにクリアされた。前半終了間際の45分には右クロスをPA左で受けたFW阪野豊史が自ら打つも、GK柴崎貴広に止められる。互いにゴールを奪えずに0-0で前半を終えた。

 交代のないまま迎えた後半に試合は動いた。後半7分、自陣からのFKをドウグラスが頭で落とし、バウンドしたボールに抜け出そうとした高木大がPA手前右でDF茂木力也に倒される。絶好の位置でのFK。高木善が右足で狙ったボールは壁の上を抜け、ゴール左へ伸びた。ボールはポスト左の内側を叩き、跳ね返りがGK児玉剛の手に当たり、ゴールイン。東京Vが高木善の今季8点目で先制する。

 勢いづくと後半16分にはドリブルで上がったMF楠美圭史がPA内へ走り込んだ高木大へパスを送る。つながれば決定的な場面だったがわずかに合わない。同18分にはDF安在和樹が自陣でボールカット。前へ送ると抜け出したのがドウグラス。DFを置き去りに、GKと1対1かと思いきや、一瞬でDFに追いつかれるとボールを失った。追加点は奪えない。後半21分に楠美に代わり、MF中後雅喜を入れる。

 1点を追う愛媛は後半10分に玉林に代わり、MF安田晃大。同26分には小島に代えて、MF近藤貴司を入れる。すると直後のワンプレー。右サイドからのスローインを表原が頭で逸らす。これに反応し、PA右へ抜け出た阪野が背負った平を突き放し、迫る田村をかわす。相手2選手がスライディングで止めにかかり、GKも迫ってくる中で一足先にボールに触れるとゴールネットを揺らした。愛媛が1-1と振り出しに戻す。

 攻勢を強める愛媛は3分後にまたもチャンスメイク。左サイドから押し込み、MF内田健太のマイナス気味のクロスを受けたMF藤田息吹が前進して右足シュート。これはクロスバーを叩く。

 流れを変えたい東京Vは後半35分に二枚目の交代。先発していた高校3年生MF渡辺皓太に代わって、MF二川孝広を入れた。同38分には左サイドでキープした二川が絶妙なパスを裏へ出す。しかし受けたドウグラスの折り返しはDFにカットされた。

 昇格プレーオフ進出へ望みをつなぐため、勝利が必須な愛媛は後半39分に最後の交代カードを切る。DF浦田延尚に代えて、FW河原和寿を投入。東京Vは同42分に高木大に代わり、MF杉本竜士を送る。終了間際のアディショナルタイム1分にはMF澤井直人が決定機を迎えるが決めきれない。

 試合は1-1で終了。勝ち点50に伸ばした愛媛だったが、今季4試合を残して、6位と勝ち点13差となったためにJ1昇格プレーオフ進出の可能性が消滅した。東京Vは勝ち点42に伸ばし、16位へ順位をひとつ上げている。

(取材・文 片岡涼)

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