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逆転弾ならず、クロスバー直撃の愛媛MF藤田「あそこが空くのは狙っていた」

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[10.30 J2第38節 東京V1-1愛媛 味スタ]

 勝ち点3が必要だった一戦。先制されたなかで追いついたものの、あと1点が奪えず。愛媛FC東京ヴェルディと1-1で引き分けると、6位と勝ち点13差になったため、J1昇格プレーオフ進出の可能性が消滅した。

 この日の一戦。後半7分にMF高木善朗に直接FKを沈められ、愛媛は1点を追う展開となった。勝利が必須な状況下、選手たちはここから2点を取らなければいけないと、さらなるプレッシャーにさらされた。

 MF藤田息吹は「勝ち点3しか考えていない中、2点を取らなければいけなくなったのは難しかった」と正直な思いを明かしつつ、「それでも結構きついとは思いましたけど、ここ最近は1点は取れているので、絶対に1点は入ると信じてやっていました」と言う。

 愛媛は失点にも足を止めることなく攻勢を一段と強め、相手を押し込んだ。すると後半27分、サイドスローインの流れからFW阪野豊史がゴールネットを揺らす。1-1に追いつき、あと1点を狙うべく果敢に前へ仕掛けた。

 得点の3分後には藤田に一番の決定機。左サイドから押し込み、MF内田健太のマイナスのクロスを受けると前進して、右足を振り抜いた。しかし、無情にもクロスバーを叩いた。守備的な位置を取ることの多いMFだが、このときはチャンスと見て、前へ走り込んでいた。

 決定機に絡んだMFは「スカウティングでセンタリングを入れたとき、あそこが空くというのは狙っていたので。それがつながったかなと思います」と手応えも口にしたものの、「普段はあまりああいう位置で攻撃に絡まないんですけど、チャンスが来たと思って詰めました。上手くトラップもできて、あとは流し込むだけでしたけど……なかなかあそこで仕事をする経験もないですし、上手くいかなかったです」と悔やむ。

 その後も愛媛は2点目を奪うことはできず。1-1で引き分け、プレーオフ進出の可能性は消えた。クロスバーを叩いたシュートが決まっていれば、2-1で勝ち越してプレーオフ進出へ望みがつながっていたかもしれない。しかし、“たられば”を言っても仕方ない。

 藤田は「それだけ(プレーオフ進出)考えてやってきたし、去年も悔しい思いをしてやってきたので。あまり上手く整理できるかどうかわからないですけど、まだ試合は残っているので、ひとつでもいい順位で終わることができるようにやっていきたい」と自らに言い聞かせるように話していた。

(取材・文 片岡涼)

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