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自信を結実させたプロ初ゴール…川崎F長谷川「すごいレベルの高いところで練習をやれている」

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[11.3 J1第2ステージ第17節 川崎F 2-3 G大阪 等々力]

 FW大久保嘉人と並んで川崎フロンターレのチーム得点王(15得点)であるFW小林悠が、前節に負傷退場。その代役として抜擢されたのが、順天堂大から加入したルーキーのFW長谷川竜也だ。Jリーグ第2ステージ第17節ガンバ大阪戦の前日、長谷川にとってリーグ戦2度目の先発が告げられた。

 キックオフからわずか6分、「嘉人さんの近くにいればボールが転がってくると思っていた」という長谷川の狙い通りの展開になった。MF登里享平が左サイドからクロスを上げると、ゴール前の密集を抜けて逆サイドの大久保まで抜けてくる。大久保のシュートがGK東口順昭にセーブされたボールは、長谷川の前に転がった。「とにかくGKを見ないでしっかりボールを見て。昨日、風間さんから『シュートをするときはボールを見ろ』と言われていたので、それができた」。ふかさないことを意識したという長谷川のシュートが、チームに待望の先制点をもらたした。

 FW三好康児が1点を加えてリードを2点に広げた前半36分にも再び背番号16にチャンスがくる。三好がスペースに出したボールを、長谷川がファーストタッチでDF金正也を振り切ると、角度のないところから左足を振り抜く。しかし、シュートはGK東口の好守にあってしまった。「中にいたのはわかっていた」という長谷川だが、パスという選択肢はなかったと言う。「狙いがあったので消極的なことをするよりは」とGKの“ニア上”へ狙いを定めていたが、思うような位置へボールはいかなかった。

 チームは逆転負けを喫し、年間勝ち点1位を逃してしまったが、川崎Fの先制点は、長谷川にとって待望のプロ初ゴールだった。「すごい嬉しかったです。頭が真っ白になりました(笑)」と表情を崩した。度重なるケガによってピッチに立つことができなかったため「自分にフラストレーション」が溜まっていたというが、「ようやくプロサッカー選手として一歩踏み出せそう」と前を向く。

 プロ初ゴールは自信につながったか――? そう長谷川に問いかけると、想像していたものと違う答えが返ってきた。「今日の試合というよりも、すごいレベルの高いところで練習をやれているので、(いつも)自信を持ってやれています」。プロ1年目のストライカーは胸を張った。

「この後、別の戦いになってくるので、そういう意味では竜也とか三好(康児)が点を取ったのは明るいニュースだと思う」。来る天皇杯とJリーグチャンピオンシップに向けて、主将の中村も期待を寄せていた。

(取材・文 奥山典幸)

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