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U-16日本代表、C大阪、G大阪の両ユースには勝てず。しかし実りのある合宿に

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2日続けて結果を残した本間至恩は代表復帰へ猛アピール

 11月3日、3泊4日の日程で行われていたU-16日本代表候補合宿が最終日を迎えた。前日に履正社高と対戦し、その反省を各人が踏まえながら2チームに分かれて、それぞれC大阪U-18とG大阪ユースのBチームと対戦。前者が1-3、後者が2-2というスコアとなった。久々の復帰となる選手が躍動した一方で、コアグループと競争できそうな新戦力の台頭もあるなど、実り多き合宿となった。

 まずC大阪U-18とは前日のゲームにおいて後半組だった選手たちが主に出場。GK高山汐生(湘南U-15平塚)、DFが大越寛人(広島ユース)、高吉正真(川崎F U-18)、松井蓮之(矢板中央高)、山下諒時(仙台ユース)、MFに奥野耕平(G大阪ユース)、鈴直樹(広島ユース)、郡司篤也(市立船橋高)、椿直起(横浜FMユース)、そしてFWには石井快征(鳥栖U-18)と森海渡(柏U-18)が入った。またGKにはハーフタイムから林祥太郎(C大阪U-18)が出場している。

 試合は開始早々に相手の左クロスから失点する最悪の立ち上がり。U-16日本代表の正メンバーだったMF鈴木冬一谷本駿介が先発した相手の厳しいプレッシングと素早い攻めに翻弄されるシーンが目立つ。だが、21分に鈴木にGKも抜き去られたピンチをDF高吉のゴールライン上でのシュートブロックでしのぐと、直後の22分に郡司のクロスに森がボレーで合わせて同点に追い付く。「(前日の履正社戦の内容が)すごく悔しくて『今日こそ絶対やってやる』という気持ちだった」という柏のストライカーが、「郡司が持ったときにクロスが来ると思った。イメージどおりだった」という一撃を突き刺してみせた。しかし、この流れも続かず、31分にCKから失点すると、後半にも鈴木に決められて、1-3。悔しい敗戦となった。

 続くG大阪ユースとの試合は、GKに松田亮(東福岡高)、DFが池高暢希(浦和ユース)、関川郁万(流通経済大柏高)、大川智己(九州国際大付高)岡井駿典(市立船橋高)、MFに福島隼斗(大津高)、井川空(札幌U-18)、榊原彗悟(横浜FMユース)、本間至恩(新潟U-18)、FWに津野絢世(京都U-18)、今村涼一(FC東京U-18)が入った。またGKはハーフタイムから高山、そして後半の半ばから林に交代。さらにMF松本大弥(広島ユース)も交代で出場した。

 序盤から主導権を握ったのは日本。津野らを先頭に相手ボールに厳しくプレッシャーを掛けてミスを誘いつつ、今村、本間らが次々とチャンスを迎える。この流れで決められないでいるうちに迎えた28分、右サイドを崩されて失点してしまった。だが日本も34分、本間のミドルシュートで同点に追い付き、前半を折り返す。後半も開始早々に不用意な失点でG大阪にリードを許す流れになったが、左SBの岡井が縦への突破から見事なクロスを上げると、これに今村が鮮やかに合わせて同点ゴール。結局、2-2のドローに終わった。

 森山佳郎監督は「勝てないのは悔しいけれど、(合宿の目的は)そこにないので」と強調。12月に予定されているチリ遠征にもこの合宿から数名を選抜する意向であることを明らかにした上で、「すぐには呼ばなくとも、ここからの成長次第で今後入ってきそうな選手も5、6人いた。この合宿が化学変化の切っ掛けになってくれればと思う」と、今回の合宿で得た課題を踏まえ、各所属チームに戻ってからブレイクする選手の出現も待望。さらに「(世界大会まで)もう1年を切っているわけで、お互いに刺激し合いながら成長していく世代になってくれれば」と期待を込めた。

(取材・文 川端暁彦)

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