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5年目で退任する川崎F風間監督「選手と同じように継続と刺激が必要」

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[11.3 J1第2ステージ第17節 川崎F 2-3 G大阪 等々力]

 先月12日、シーズン終了を待たずに今季限りでの退任を表明した川崎フロンターレ風間八宏監督にとってのレギュラーシーズンが終わった。ホーム最終戦のセレモニーを経て会見場に現れた指揮官は開口一番「サポーターに温かく声援を受けた後なので、悔しい試合を振り返りたくない」と苦笑いを浮かべた。

 勝利すれば他力ながら年間勝ち点1位になる可能性があった川崎Fは、チケット完売となったホームの大歓声を受けて立ち上がりからペースをつかむと、6分にはFW長谷川竜也のゴールで早々と先制。ガンバ大阪のMF井手口陽介が「パスを分断できなかった」と言うように、風間フロンターレらしさを存分に見せつけ一方的に攻め立てると、18分にFW三好康児が追加点を挙げる。シュート数で10対1とG大阪を圧倒、「前半は完璧だった」とFW大久保嘉人も振り返る内容だった。ところが、後半はG大阪にボールを握られる時間が長くなると、3ゴールを許し痛恨の逆転負けを喫した。「コントロールする力がベンチも含めて足りなかった」と風間監督は後半を悔やんだ。

「しばらく前に考えていた」と風間監督は指揮官を辞することを考えていたという。2012シーズンの途中に筑波大の監督から川崎Fの監督へと就任、プロチームの監督を務めるのは初めてとなる“挑戦”でもあった。初年度を8位で終えたチームは、3位、6位、6位(年間順位)と推移、今シーズンは、風間体制最高位となる2位(年間順位)で、川崎F史上最多年間勝ち点となる72を獲得した。「勝ち点70以上取れたのは素晴らしいこと」と最終年となった今季の成績には胸を張る。

 退任する理由については、「選手と同じように自分自身継続と刺激が必要だと思うので、その辺で頭を変えたい。このチームに可能性がないというわけではなくて、非常に大きな可能性があるチーム。自分の中ではいろいろなものを見るべきだと思ってますし、いろいろなものを選手に還元するためには、自分自身伸びていかないといけない」と明かした風間監督。チームに限界を感じたわけではなく、自身の変化を求めていることを強調した。

 チームは、12日に天皇杯ラウンド16・浦和戦、23日とJリーグチャンピオンシップ準決勝・鹿島戦とビッグマッチを戦う。「まだまだ伸びているチーム。完成形ではない」(風間監督)チームが、悲願の初タイトルに挑む。

(取材・文 奥山典幸)

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