[11.5 Jユースカップ準々決勝 C大阪U-18 1-1(PK3-4)広島ユース 味スタ西]

　11月5日、味の素スタジアム西競技場にて2016Jユースカップ第24回Jリーグユース選手権大会の準々決勝が行われ、その第2試合でセレッソ大阪U-18とサンフレッチェ広島ユースが対戦。「本当に疲れる試合」(広島・沢田謙太郎監督)となったゲームを1-1からのPK戦の末に制した広島が、準決勝へと駒を進めた。

　ただ、「前半の前半に、『これはタフな試合になるぞ』と覚悟した」と広島DFイヨハ理ヘンリーが振り返ったように、立ち上がりから主導権を握ったのは若き桜軍団だった。広島と同じシステムを使ってミラーゲームに持ち込んで前から追い込み、相手が得意とする後方からの自由なビルドアップを許さない。「あれだけハメ込まれてしまうのはないですよ」と沢田監督が振り返ったように、C大阪の狙いは機能していた。

　その意味でC大阪にとって痛恨で、広島にとっては会心だったのが14分の先制点だろう。C大阪DFのパスミスをかっさらった広島FW山根永遠が角度のない位置からのシュートを見事に決めて奪った1ゴールがC大阪にとっては何とも重い一撃となった。前半、広島のシュート数はわずか2本。形になった攻撃はほとんどなかっただけに、C大阪にとっては何とも悔やまれる失点となった。

　ただ、高円宮杯プレミアリーグWESTでは現在1位と2位で優勝を争う関係にある両雄の戦いである。このまま終わるはずもなかった。後半はようやくエンジンの掛かってきた広島と攻勢を強めるC大阪という殴り合いの構図が鮮明になり、「キツいけど、楽しい」(沢田)試合に。13分にC大阪がMF荒木秀太のクロスから交代出場のFW齋藤遼が頭で決める見事な同点ゴールを奪い取ったことで、この流れは加速していった。

　ここからの流れは殴り合いであり、共に日の丸経験者である両GKの“セーブ合戦”とでも呼ぶべき展開だった。後半26分に広島GK大迫敬介がMF有水亮のほぼパーフェクトに見えたヘディングシュートを「瞬発系のプレーには自信がある」という超反応で防ぐと、C大阪GK井上聖也も後半45分と延長前半1分での山根のシュートなどを次々と阻止して得点を許さない。

　結局、試合はこのままPK戦ともつれ込み、ここでも両GKがビッグセーブを見せるのだが、広島の大迫が2本を止めたのに対し、C大阪の井上は1本。そのわずかな差によって、広島が西日本のライバルチーム同士の熱く激しい攻防戦を制し、準決勝へ進出。11月13日、ベストアメニティスタジアムを舞台に、今大会で驚異のジャイアントキラーぶりを発揮している松本山雅U-18と対峙することとなった。

(取材・文　川端暁彦)

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