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[選手権予選]「「タキニは点を獲って、ナンボのチーム」貪欲にゴール目指した滝川二が4発V:兵庫

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貪欲にゴールを目指した滝川二高に4発V

[11.13 全国高校選手権兵庫県予選決勝 滝川二高 4-1 市立尼崎高 ノエスタ]

 第95回全国高校サッカー選手権兵庫県予選決勝が13日に行われ、前半30分に奪ったFW山田裕也の先制点を皮切りに4得点を奪った滝川二高市立尼崎高に4-1で勝利し、2年ぶり19回目の全国大会出場を決めた。

「タキニは点を獲って、ナンボのチームだと思うし、どんな形でもしっかり点を獲って勝つのがタキニ。皆が絶対に点を持って勝つという意識を持っていた」。主将を務めるDF今井悠樹がそう口にしたように、滝川二らしさが溢れる攻撃的な姿勢で全国への扉を開いた。

 序盤から拮抗した展開が続く中、試合が動いたのは前半30分。右サイドでボールを持ったDF日野公貴のタメからFW溝田大輝がクロスを入れると、ゴール前に飛び込んだ山田がヘッドで合わせて滝川二が先制に成功した。続く33分には中盤でのボール奪取からMF朴光薫が前線に縦パスを展開。フリーで抜け出した溝田がGKとの1対1を落ち着いて決めてリードを広げた。

「最初は2点獲って勝つつもりでいたけど、もっと行こうぜ!となった」(今井)滝川二だったが、準決勝でプレミア勢の神戸弘陵高に勝利し、勢いに乗る市立尼崎も簡単には引き下がらない。前半終了間際には、中央でのパスワークから左サイドのDF松井瞭汰がゴール前に抜け出すなど、攻撃のギアを上げていく。このチャンスはGK山野宗一郎が阻まれたものの、エンドが変わった後半は松井とMF岩崎亮汰の両サイドと1トップのFW猿渡凛太郎がスピード溢れる突破を何度も披露した。しかし、この日3度目の歓喜はまたもや滝川二。後半7分には中央のFW持井響太が右前方へパスを通すと、受けたMF江口颯が切り替えしでDFをかわして放った一撃がゴールネットを揺らした。

 このゴールで試合は決定的になったかと思われたが25分、市立尼崎は中央でボールを持った松井が猿渡とのワンツーからゴールを決めて、スコアは再び2点差に。「10年前は市立尼崎と決勝で戦い、0-2から3点を獲って逆転したと聞いていた。1点目を獲られた時は逆の展開をやられてしまう。ヤバいって思った」(今井)滝川二はこのプレーを機に猛攻を受ける時間が続いたが、「絶対に負けたくない、絶対に勝ちたいという気持ちが強かった」(今井)と身体を張ったプレーで追加点を与えない。苦しい時間を耐え凌ぐとアディショナルタイム突入後の44分に再びチャンスが到来。MF辻本竜のパスから1年生FW中森翼が4点目を奪うと、直後にタイムアップを告げる笛が鳴り響いた。

 これまで選手権予選決勝での成績は19戦19勝。日本代表のエースFW岡崎慎司ら偉大な先輩たちが積み上げてきた歴史を自分たちの代で止めるわけにはいかない。前日には歴代の名場面をまとめたモチベーションビデオをチーム全員で鑑賞し、「タキニはやっぱり強いなって思ったし、こういう伝統あるチームでやれているのは凄い誇りに思った」(今井)。積み上げた歴史やチームのDNAは今も脈々と受け継がれており、「最後まで諦めずに戦う気持ち。1-0で勝っていてももう1点獲りに行く気持ち、5-0で勝っていても絶対に失点しないという気持ちがタキニらしさ」と表現する持井は「タキニという看板は重いけど、それに見合う試合が今日はできたかなと思う」と胸を張った。

 ユニフォームの左胸にはこれまでの先輩たちが達成した日本一を意味する薔薇の刺しゅうがあしらわれている。1つめはチーム史上初の全国タイトルとなった06年の全日本ユース選手権優勝、2つめは10年の選手権優勝だ。「出るからには全国制覇したい。3つめの薔薇を咲かせたい」と今井が意気込んだように、今度は2年ぶりの晴れ舞台でも滝川二らしさと強さを証明する。

(取材・文 森田将義)
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