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[MOM1949]FC東京U-18MF小林真鷹(2年)_「攻撃は得意じゃない」攻撃的MFが殊勲の2ゴール

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.13 Jユースカップ準決勝 京都U-18 1-2 FC東京U-18 ベアスタ]

「クロスのラッキーゴールです」。ループシュートのような弾道で奪った同点ゴールの1点目についてU-17日本代表でもあるFC東京U-18MF小林真鷹は正直に告白してきた。「攻撃は得意なほうじゃない」とも言うように、本来の持ち味は守備面にある。

 佐藤一樹監督はそんな小林を「守備で幅広く“ゴミ”を拾ってくれる選手」と評価している。ルーズボールに対しての反応が良く、競り合いでも強さを出せる守備的MFであり、この日もそんな小林の特長に期待して「しっかり中を真鷹で締める」(佐藤監督)意図からボランチで先発起用されることとなった。

 ただ、「ボールロストが多すぎた」と本人も認めるように、前半の出来は決して良いものではなかった。チームとして攻守が噛み合ってなかったこともあるが、個人的なミスも多かった。このため、後半からは右の攻撃的MFで先発していた平川怜と配置転換。週半ばの練習試合でも試した布陣に変更することとなる。

「練習試合では(右MFで)潰されてしまっていたので、小林には『右サイド嫌だな』というイメージもあったと思う」と佐藤監督は言う。ただ、小林自身はこの練習試合での反省点を後半のプレーにフィードバック。「余り落ちすぎないようにしよう」とボールを欲しがって下がるのではなく、前のスペースで受けるイメージを保ち続けた。延長前半4分に生まれた逆転ゴールは、「しっかりゴールに行ける位置まで走ることを意識していた」という言葉どおりのプレーである。

 スペースに走り込んでのワンタッチシュートでファーサイドへ美しく流し込んで決勝点。「いいパスをくれたので」とFW半谷陽介のアシストを立てるような口ぶりではあったが、得点後の表情を観れば確かな手ごたえを得るようなプレーだったことは明らかだ。準々決勝・G大阪ユース戦でも見事なアシストのパスを通しており、続けざまに「ゴミを拾う」黒子の仕事にとどまらない活躍ぶりを見せており、一皮むけつつある感もある。

 決勝で待つ相手は難敵・広島ユース。「チーム一丸となって戦いたい」と語る“攻守両面に秀でる”MFのプレーは、決勝でも大切なキーポイントとなりそうだ。

(取材・文 川端暁彦)
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