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「NIKE ACADEMY TOKYO」始動!グローバルファイナルに臨む“日本代表”含む29選手が世界基準のトレーニング

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多岐にわたった内容で、充実した約3時間を過ごした

 若手プレイヤーを対象としたトレーニングセッション「NIKE ACADEMY TOKYO」が、19日に始動した。

 2009年にスタートした「NIKE ACADEMY」は、イングランドフットボール協会(FA)のセント・ジョージズ・パークを本拠地に、世界トップクラスの施設でエリートコーチや栄養士のほか、各分野の専門家が指導やアドバイスを行っている。その日本版となる「NIKE ACADEMY TOKYO」では、アカデミーのコーチが直接指導にあたり、世界基準のトレーニングを受けることができるプロジェクトだ。

 午後5時、暗くなり始めた埼玉スタジアム第4グランドに、1997年4月2日〜2001年4月1日生まれ(16歳~19歳)の29選手が集まった。大学生や高校生、未所属の選手が顔をそろえる中、来週24日からイングランド代表の本拠地、セント・ジョージズ・パークで開催される「NIKE MOST WANTED」グローバルファイナルに出場する、MF白川恵士朗(未所属)とMF西尾翼(東海大)の“日本代表”の2人も参加した。

 ミーティングルームから始まったトレーニングセッション、まずは「脳トレ」。「NIKE ACADEMY TOKYO」のエントリーツールにもなっているスマートフォンの「NIKE FOOTBALLアプリ」を使い、“頭を動かす”トレーニングが行われた。アプリ内の「PRO GENIUS」では、ゲームで素早い判断と予測、反応する力を養うことができるという。「フィールドだけでなくサッカーを学んでもらいたいと思っている」(小島直人ヘッドコーチ)。実際、緊張感が漂っていた選手たちの顔には笑顔が浮かび、リラックスしながら“サッカー脳”を鍛えていた。

 午後6時、グラウンドに移動して体を動かすトレーニングが始まった。すっかり日は暮れ、日中の雨で濡れた人工芝の影響もあって気温はかなり下がっていたため、最初は体の動きが重かったが、鈴木友規アスレチックトレーナーのフィジカルトレーニングのもと、固さもとれてきた選手たち。4点のマーカーの中をジョギングをしながら鈴木コーチが指示を待ち、指示された4方向のいずれかにダッシュ。その4方向はピンクなど色で分けられているため、体を動かしつつ頭も回転させなければならない。「練習自体のスピードも速い。ただ走るスピードだけでなく、判断のスピードも高める」(小島ヘッドコーチ)という「NIKE ACADEMY」のメソッドが随所に散りばめられている。

 ボールを使ったゲーム形式のトレーニングに入ると、目を引くプレーを見せていたのがグローバルファイナルに出場する西尾だ。グローバルファイナルへの出場権を獲得してから1か月、プレーの質に変化が出てきている。「あっち(グローバルファイナル)に行ったら、パスをして任せっきりではダメだと思うので、はたいたらワンツーをもらいに行くことを意識してやっていました」。持ち前の豊富な運動量を武器に、ビルドアップから前線への飛び出しまでピッチ狭しとプレー。「キレています」と胸を張るように、鈴木コーチから学んだ体幹トレーニングを自主的に続け「当たり負けしなくなった」というフィジカルと自信を手に、イギリスへと向かう。

 最後は、ミーティングルームに戻ってのレクチャー。ニチバンはケガの予防や再発防止、応急処置について映像と実演を交えて指導し、明治からは栄養補給と疲労回復といったカラダづくりについての講義が行われ、約3時間に及んだ第1回目の「NIKE ACADEMY TOKYO」は幕を閉じた。

 トレーニング終了後、“日本代表”の白川は「知らない人とでいきなりサッカーをやるのは難しい」と西尾同様の感想を語った。「自分から積極的にボールに関わるのが大事だと思っています。90分間ずっとボールに関わり続けられるように」とグローバルファイナルへの意気込み、「大事な試合でも、常に正しい判断をできると思っているので、力んだり無理なプレーをしないで、自分がどんなプレーをしたらいいのか考えながらできれば」と自信を覗かせた。その一方で言葉への不安をコーチ陣に相談したという白川は「(コーチからは)『どうせしゃべれないんだから、いまから一生懸命勉強するよりも、サッカーの部分で自分の良さを出していったほうがいい』と言ってもらいました」と吹っ切れた様子。MF波田野海(聖和学園高卒)以来日本人としては2人目となる、「NIKE ACADEMY」入り、そしてその先のプロ選手を目指す。

★『NIKE ACADEMY特設ページ』はこちら

(取材・文 奥山典幸)

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