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[選手権予選]市立船橋MF太田が決勝ヘッド!努力続けて「ここぞ」の場面で決める存在に

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後半4分、市立船橋高MF太田貴也が決勝点となるヘディングシュート

[11.20 全国高校選手権千葉県予選決勝 流通経済大柏高 1-2 市立船橋高 フクアリ]

 名門・市立船橋高を全国へ導くゴールはMF太田貴也(3年)が決めた。後半4分、MF金子大毅の右クロスを頭で逆サイドのゴールネットへ流し込んで決勝点。「金子から来る瞬間、(自分に)来るなと思ったんですよ。ボールしか見ていなくて、金子ならここだなと思ったらちょうどここに来た。ちょっとかすっちゃったんですけど、入って良かったです」。GKが飛び出してきていたが、ボールしか見ていなかったという太田がわずかに手前でヘディングシュート。本人はシュートミスしたと感じたらしく、「打ったらスカッとなっちゃってヤバいと思って見たら……ゴール入って良かったです」と苦笑していたが、それでも優勝決定弾となったゴールを素直に喜んでいた。

 Jクラブへ進む3選手らタレント擁する市立船橋の中にあって、常に成功してきた選手ではない。先発どころかメンバー外の危機に瀕したこともある。ただし、結果が出なくても「取り組みは変わらなかった」と朝岡隆蔵監督が認める太田は努力を続けてチャンスを掴んできた。そしてプレミアリーグの流通経済大柏高戦での決勝点や全国高校総体準決勝・昌平高戦での決勝点などでチームを救い、その度にチームメートから大きな祝福を受けてきた。

 指揮官は以前、「彼は愛されているんですよ、チームメートから」と明かしていたが、もがきながらも努力し続けることによってチームメートからの信頼を勝ち取ったMFは「ここぞ」の場面で結果を残す回数を増やし、徐々にだがチームに白星をもたらす存在になってきている。この日、チームにとっては苦しい前半で太田も攻撃を成功させることができていなかった。それでも彼の勝ち越しゴールでチームは完全に流れを引き寄せて勝利。本人は「自分は周りのみんなを信頼しきっているので、ここに来いと思ったら金子がいいボール上げてくれて、金子のゴールかなという気がしなくもないですけど。当てればいいボールだったので感謝しています」とアシストの金子に感謝していたが、指揮官が「彼のパーソナリティーです」と口にしたように、本人の努力、人間性が引き寄せたゴールだったことは間違いないだろう。

 昨年度の全国大会は敗れた東福岡高戦で後半38分から出場。だが、短い時間で結果を残すことができず、チームはPK戦で敗れた。その悔しさを忘れずに努力してきたMFは全国までの成長を誓う。「ずっと悔しい気持ちをずっと持っていたんで。1年間いいことだけじゃなかったんですけど、苦しいこともあったから今があると思っている。まだ、自分が絶対に全国に出られるという訳でないので競争して、全国でまた活躍したい」。チームを全国へ導いた一撃にも満足することなく、また努力を続ける。

(取材・文 吉田太郎)
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