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「この2日間、周りがざわついた」キャプテン初陣をドローで終えた高徳「自分は自分であろうと」

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キャプテンとしての“初陣”をドローで終えたDF酒井高徳

[11.20 ブンデスリーガ第11節 ホッフェンハイム2-2ハンブルガーSV]

 ブンデスリーガは20日、第11節3日目を行い、DF酒井高徳の所属するハンブルガーSVは敵地でホッフェンハイムと対戦し、2-2で引き分けた。酒井はダブルボランチの一角で3試合連続のフル出場。今月17日にキャプテンに任命された酒井にとっては、この日が主将としての“初陣”となった。

「特に何か変えるわけではなく、自分は自分であろうと思った」。左腕にキャプテンマークを巻き、試合前のコイントスに参加すると、円陣では声出しも務めた。酒井の顔にもチームメイトの顔にも笑顔が浮かぶ。ドイツ国内でも驚きを持って報じられた高徳のキャプテン就任を選手たちが前向きに受け入れているのは感じ取れた。

「この2日間、周りがざわついたり、もしかしたら自分に対してあまりよく思ってない選手もいたかもしれない。ドイツ語がうまくできないようなヤツがなんでキャプテンなんだって思っているような雰囲気も感じた。でも、そのあたりはあえて僕がしゃべり続けるんじゃなくて、自分のままでいて、クールでいながらチームを引っ張るということを意識した」

 移籍2年目で任された大役。しかも外国人選手でありながら新リーダーに就任した25歳は「試合になったらそんなことはまったく関係なく、みんなに声をかけるということを意識した。タイプ的にプレーで点を取って何とかしてやるという選手じゃない。何ができるかと言ったら、体を張って、声を出して、諦めないポジティブでエネルギッシュなところをチームに注ぎ込むということ。そこは最低限できたと思う」と胸を張る。

 チームは前半28分に先制しながら、前半アディショナルタイムと後半立ち上がり4分の失点で1-2と逆転を許す。しかし、そこで崩れることなく、後半16分に追いつき、最後まで勝ち越しゴールを許さない粘りを見せた。

「少し通じたなと思うのは、後半立ち上がりすぐに1-2になって、いつもだったら1-3になったり、最後に2-3にされたりしていたと思うけど、そこを我慢して、しっかり耐えたというのはすごく誇りに思う。小さいようだけど、大きな一歩かなと思う」

 2-2のドローで連敗を3で止めたものの、これで開幕から3分8敗となり、いまだ未勝利で最下位という苦境は変わらない。それでも今季無敗のホッフェンハイムから敵地で勝ち点1を奪った意味は大きい。

 試合後は日本メディアだけでなく、現地メディアにも囲まれた。「(ドイツ語で話す)恥ずかしさがなくなれば」と照れ笑いを浮かべた新キャプテンは「たまに今でもオートマチックに(ドイツ語が)出てこないから、こういうところ(ペン記者の囲み取材)だったらテレビがないので安心できるけど、テレビだとちょっとプレッシャーを感じちゃう。いつも日本語に置き換えて何を言おうか考えて、ちょっと遅れたり同じことを言ったりしてしまうので、そのあたりがもう少しよくなれば」と、ドイツ語の習熟にも意欲を見せていた。

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