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[選手権予選]最後の代表校は京都橘に決定!全国初戦で市立船橋との注目対決!!:京都

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京都5連覇を達成した京都橘高イレブン

[11.23 全国高校選手権京都府予選決勝 京都橘高 1-0 京産大附高 西京極]

 第95回全国高校サッカー選手権京都府予選決勝が23日、京都市西京極運動公園陸上競技場で行われ、4連覇中の王者・京都橘高と初優勝を目指す京産大附高が対戦。後半33分に左SB水井直人(3年)が決めた決勝点によって京都橘が1-0で勝ち、5年連続6回目の全国大会出場を決めた。すでに全国大会の組み合わせは決まっており、京都橘は全国大会1回戦(12月31日)で全国高校総体優勝校の市立船橋高(千葉)と戦う。
 
 全国大会出場48校中、唯一決まっていなかった京都代表が京都橘に決まった。これによって、唯一対戦相手が未定だった市立船橋の初戦の相手も決定。夏の全国王者への挑戦権を得た京都橘の米澤一成監督は「力あるチームですし、夏の王者ですし、チャレンジしたいチーム。どこかでやりたいなと思っていた」と語り、U-19日本代表でのチームメートであるDF原輝綺(3年)やDF杉岡大暉(3年)との注目対決を実現させることになったエースFW岩崎悠人主将(3年、京都内定)は「楽しみだなと思いました。(対戦相手が市立船橋に決まり)ビックリしたんですけど、夏の王者と最初でやれるのはワクワクしましたし、みんなも多分そういう気持ちで今いると思います」と語った。

 今年、ここまで京都橘は府内2冠。選手権予選でも岩崎やMF堤原翼(3年)、GK矢田貝壮貴(3年)ら経験豊富な選手たち中心に勝ち上がってきた京都橘に対し、京産大附は初めての決勝進出。総体予選準決勝で京都橘に0-6で敗れている京産大附だが、FW田中皓貴主将(3年)が「全国行ったらもっと注目されるし、『全国を驚かしたろ』という気持ちでやっていました」と王者撃破への強い意欲を持って決勝に臨み、京都橘を苦しめた。

 序盤から圧倒的にボールを握った京都橘に対し、京産大附は5バックを敷いて守りを固める。その中で京都橘は左右にボールを動かして相手を走らせ、15分には堤原、18分には岩崎が個で局面を打開してシュート。また、21分にはFW篠永雄大(1年)の落としから岩崎が左足を振り抜き、39分にはワンツーからMF河合航希(2年)が右足シュートを放つなどプレッシャーをかけるが、サイドまでボールを運びながらもクロスや中央での崩しの精度を欠いたり、単調な攻撃になってしまう部分もあって相手ゴールを破ることができない。

 一方、前線へ入ってくるボールをDF村上大誠(3年)が弾くなど無失点で試合を進める京産大附はカウンターからMF草木颯斗(2年)やMF村木昴太(3年)がミドルシュートにチャレンジ。また田中が前線でボールを収め、左FW高木大世(2年)がドリブルで仕掛けるなど1点を狙うが、京都橘の右SB大塚陸(2年)やCB清水駿(3年)にインターセプトされるなど攻撃回数を増やすことができなかった。

 後半も攻める京都橘、守る京産大附の展開。京都橘は清水やMF仲田尚悟(2年)が大きな展開を増やし、攻撃的SB水井が左サイドから押し込むなど攻撃の圧力を強める。24分には岩崎がDF2人の間へ割って入って左サイドを突破。その折り返しに堤原が飛び込んだが、わずかに合わない。一方の京産大附も18分にゴールライン際を抜け出した高木がチャンスを迎えたが、これはGK矢田貝が阻止。京都橘はわずかにできた隙も得点には繋げさせなかった。

 終盤、京都橘は堤原が積極的に仕掛けてシュートを狙い、岩崎がDFを引きつけてチャンスメーク。また右クロスからCB吉水太一(3年)が決定的なヘディングシュートを放つなど攻め続ける京都橘の前に京産大附の守りはついに決壊してしまう。33分、京都橘は中央から交代出場FW梅津凌岳(2年)が縦へ持ち込もうとし、そのこぼれに反応した岩崎がDFをブロックしながらキープして反転シュートへ持ち込もうとする。だが、次の瞬間、後方から飛び込んできた水井が左足シュート。岩崎から譲られる形で放った水井の一撃が、ゴール右隅へ決まってついにスコアが動いた。

 優勝に大きく近づく1点を奪った京都橘イレブンが水井中心に喜びを爆発させていたのに対し、痛恨の1点を奪われた京産大附は無念の表情。だが、田中が「『取られたもんはしょうがない』と良い切り替えができていたと思います」と振り返る京産大附は諦めない。京都橘のMF土井翔太(2年)の左足シュートや岩崎の左足シュートがゴールマウスを叩いたことで1点差のまま試合を進めた京産大附は、終了間際に3連続でCKを獲得してゴールへ迫る。そして高さを活かして同点に追いつこうとしたが、これを弾き返した京都橘が1-0で勝利。岩崎が「みんなで勝ちたいという思いがあった」という団結力強い3年生、チーム全員で全国切符を勝ち取った。 

 京都橘の現3年生は12年度全国準優勝や13年度の全国4強入りを見て入学してきた世代。米澤監督は「それを見て目指してくれているんだなと感じるので、それを形にしてあげたいなと思います」。やや先を見すぎた昨年度は初戦敗退。それだけに矢田貝は「僕たちの目標はてっぺん。てっぺんであるけれど一戦一戦しっかり戦っていかないと去年のように足元を救われる場合もあるので、地に足つけてやっていきたい。ここ(市立船橋との初戦)で勝ったら勢いに乗れるんで初戦に向けてしっかり良い準備していきたい」と語り、水井は「楽しみですね。市船相手にどれだけできるかということで、そこに勝てば乗っていけると思う」。今年は先を見過ぎることを許さない市立船橋との初戦。3年前に先輩たちが同年の全国総体で優勝していた市立船橋を準々決勝で破ったように、自分たちも大きな壁を乗り越える。

(取材・文 吉田太郎)
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