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「2人の存在が伝統」常勝軍団・鹿島の系譜、昌子が追う小笠原と曽ヶ端の背中

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鹿島アントラーズは18個目の主要タイトル獲得となった

[12.3 チャンピオンシップ決勝第2戦 浦和1-2鹿島 埼玉]

 偉大な先輩の背中をとにかく追いかけてきた。7年ぶり8度目のリーグ制覇で通算18個目のタイトルを獲得した鹿島アントラーズ。その守備を支えるDF昌子源は鹿島の伝統でもある勝負強さの秘訣を問われ、「鹿島の伝統について聞かれるだろうなと思って考えていたけど、正直、やっている俺も分からない」と明確な答えは控えつつ、2人のベテラン選手の存在を挙げた。

「(小笠原)満男さん、ソガさん(曽ヶ端)中心のチーム。2人に付いていったら優勝できるんじゃないかと思えるし、付いていった結果の優勝。2人の存在は大きいし、あの2人が伝統だと思う」

 いわゆる黄金世代である79年生まれ、37歳のベテランとなったMF小笠原満男、GK曽ヶ端準。今季、五輪代表GK櫛引政敏を獲得し、ボランチにはMF永木亮太やMF三竿健斗を補強した。クラブとして世代交代を図りつつも、最後のところで屋台骨としてチームを支え、引っ張ってきたのは変わらずこの2人だった。

「2人がもし引退したり、大きなケガで離脱したりしたら、だれが代わりをできるのか。なかなか名前は挙がらないと思う。満男さんは今日、最初に交代したけど、『何で?』って悔しそうな顔をしているのが見えた。ソガさんも含めた2人の存在が伝統だと思うし、あの2人あっての優勝だと思う」

 小笠原と曽ヶ端に対するリスペクトと感謝を語る昌子自身の貢献度も高かった。0-1の前半26分にはスルーパスに抜け出した浦和MF武藤雄樹のシュートに対し、体を投げ出してスライディング。「一歩遅れて、届かないかなと思ったけど、気持ちで滑った」と、かろうじて足先に当て、ボールは枠を外れた。

 ここで0-2とされていれば3点が必要な状況となり、逆転優勝はかなり厳しくなっていた。まさにチームを救うファインプレー。終盤の落ち着きや粘り強い守備など、試合全体を通して堅守を見せた23歳の存在もまた、鹿島の次なる伝統へとつながっていくはずだ。

(取材・文 西山紘平)

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