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筑波大FW中野誠也×FW北川柊斗の特別対談、「優勝するだけ」「常にゴールを意識」

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インカレへ向けて意気込んだ中野と北川

 冬の大学日本一を決める第65回全日本大学サッカー選手権(インカレ)が12月7日に関東近郊で開幕する。昨季決勝では関西勢が激突。関西学院大が阪南大を下して頂点に立った。シーズン集大成となるインカレで最後に笑うのはどこのチームか。

 ゲキサカ×全日本大学サッカー連盟のインカレ特別企画第6弾は筑波大のFW中野誠也(3年=磐田U-18)、FW北川柊斗(3年=名古屋U18)による特別対談です。

 今季の関東大学リーグで2部からの昇格組ながら優勝争いを繰り広げ、2位でのインカレ出場を決めた筑波大。今季の関東大学リーグで中野選手はチーム内得点王となる13得点を挙げ、北川選手は10番を背負って攻撃を牽引しました。それぞれ初の経験となるインカレへ向けての意気込みは?

――筑波大学蹴球部の特徴やプレースタイルを教えてください。
中野:ボールを繋ぐのが持ち味だと思ってます。チーム全員が一つの方向性を持っていて、出場している選手の特徴を活かすようなプレーができるサッカーだと思います。

北川:自分たちでボールを持ちながらゴールまで迫っていくのが僕らの攻撃のスタイルです。ひとりひとりのストロングポイントを活かして、ゴールへ持っていく。誠也だったらスピードだし、自分だったらタメを作って、それぞれの持ち味を活かした攻撃ができるというのが特徴です。

――ご自身のプレースタイルを教えてください。
中野:自分は裏への飛び出しとスピードが持ち味で、オフザボールでの動きが特徴かな。
北川:スピードっていうのはやっぱり、練習してどうにかなるもんじゃないからね。スピードを活かしつつ、でもスピードに頼るだけなんじゃなく、オフザボールで相手を外す動きも上手い。誠也のそういうところが自分はできないから、羨ましいといったら羨ましいです(笑) 逆に俺はスピードがないから、その分、どこからでもシュートを打てるというのが持ち味だな。

中野:柊斗は、試合の時もだけど練習の時から、シュートの質というか、足がボールに当たった時の音が違う。あのシュートは、自分が練習しても絶対に打てない。

――点を取り続けるために意識していることはありますか?
中野:ゴールに向かい続けるっていうのは常に意識してます。
北川:俺はどんな状況でボールを持っていても、ゴールを意識してる。例えば後ろ向いている状態でも、どうやってシュートに持っていこうか、とか。感覚かな? どんな状態でもゴールの場所を意識している。

中野:俺はそんなにシュートを打てないから、いかにオフザボールで動き続けるかだな。
北川:俺は逆に、ボールを持っているときが勝負だから。俺はオンだけど誠也はオフか。
中野:いい意味でバランスを取ってるよね。

――インカレは筑波大としては3年ぶり、お二人にとっては初めてのインカレ出場となります。出場が決まった時の心境を教えてください。
中野:ただただ嬉しかった。
北川:スッと決まった感じだったよね。リーグ戦の上位争いが混戦だったこともあって、負けられない試合は続いたけど。

中野:優勝を目指していたら、必然とインカレ出場が決まってたって感じ。まあ、明治大の独走は止めたかったけど(笑) 俺らが楽に優勝させちゃった感じがするよね。
北川:自分たちは優勝目指しながら戦ってただけ。
中野:そしたら「ああもうインカレ決まってるんだ」って。
北川:そうそう。

――拮抗した上位争いの中、4位まで順位を落としたこともありました。チーム内ではどのような話をしていましたか?
北川:ミーティングしたよな、選手だけで。
中野:トップチームでミーティングしたね。自分たちの目指すべきところ、優勝したいってところを改めて確認した。(小井土正亮)監督のスタイル的にも、ひとつひとつの試合に全力を注いで……っていう感じだから、それを選手みんなで実現していった。
北川:目の前の相手だけに集中して、1週間の練習に取り組んだっていうだけかな。

――2年前の1年次には、2部リーグ降格を経験しました。
中野:1年目に関しては俺たち入ってすぐのことだったけれど、とにかく負け続けで「何をすればいいんだ」って思いました。勝つのがこんなに難しいんだ、っていう経験しましたね。
北川:高校年代までは普通に勝ってきたのに……。1年生だったから、というのがあったのかもしれないけど。
中野:「大学サッカーって、どうやって勝てばいいんだ」って。
北川:「レベル高すぎ」みたいな。

中野:車屋さん(車屋紳太郎・現川崎F)、嘉大さん(中野嘉大・現川崎F)の二人がいた中で勝てなかったわけだから。あれだけ上手い選手が揃っている中で勝てないなんて、訳が分からなかったよね。
北川:確か、あの年の前期リーグは1勝しかできなかったんだよね?
中野:そう。最後に流通経済大(1-0)に勝っただけだね。

――お二人はJクラブユース出身ですが、ユース時代と大学サッカーの違いは?
中野:リーグ戦には開幕戦から出場したけど、何もできなかったね。
北川:俺と誠也だけだよね、1年生から試合に出てたのは。
中野:そう、順天堂大戦(0-2)に出場して。前半に(三宅智大・4年が)退場しちゃったってこともあるけど、あれはマジで何もできんかった。
北川: しかも俺、右SHで出場してた(笑)

中野:まあ、あの時はまだ模索中だったからね。
北川:大学サッカーに慣れるまでは、身体の強さやスピードに違いを感じていたかな。ユースの頃は、なんとなくやっていれば勝てる感じだった。でも大学サッカーは上手い人たちが集まってくるから、ひとりひとりの能力が高い。
中野:柊斗で言えば、身体の強さは絶対にあったし、俺もスピードはあったから、そこで勝負しようとしたけど、全然勝てんかった。慣れていったら段々勝てるようになったけど、最初はスピード面で慣れてなかった部分が大きいかな。

――2年次には2部リーグでの戦いも経験しました。
中野:相手はどこも、筑波大が上手いっていうのがわかっているから……。
北川:どこも引いて(守って)きたよね。
中野:それが一番難しかった。
北川:守って守ってカウンターとか。とりあえず引いてきたよね。
中野:5バックで守ってくるとこもあったし。
北川:そこを崩せるかどうか。
中野:まあ、そういうサッカーをしてくる相手に対しての、いい勉強になったよね。

北川:上手かったり強いチームではなくても、頑張って守ってくるから。
中野:難しいゲームが多かった。後期リーグ戦は1-0で勝つ試合ばっかりだった。(12試合中5試合が1-0)
北川:でも、上位陣相手には勝てんかったなー。
中野:まあ勝ち点は積み重ねられたから。
北川:なんとか2位になって、1部に昇格できてよかったっていう印象かな。

――その年は2部ながらもアミノバイタル杯(総理大臣杯関東予選)で準優勝し、総理大臣杯ではベスト4に入りました。
北川:アミノに関してはもう、3回戦の神奈川大戦(5-3)で勢いついたと思う。あの時は4年生が教育実習に行っていて試合に出られないから、下級生が試合に出ていて。
中野:前半は0-3で負けてたからね。経験不足が出た。逆に後半は、いい意味での若さが出たよね。
北川:うん、吹っ切れてた。
中野:3失点から5点を取り返すっていうよくわからない試合になった(笑)
北川:あれが変に自信にもつながった。逆転できるといいうか。「1部の大学が相手でも、俺らはやれるんだ」って。
中野:後半って、シュート7本しか打ってないんだ。
北川:しかも5点目の俺のゴール、オフサイドだったんだよね(笑)
中野:まあ運も必要(笑)
北川:3-1になった時点で、この試合はいけると思った。
中野:確かに。流れ的に良かった。
北川:1点目は、誠也がヘディングで決めたんだよね、確か。
中野:そうそう。柊斗からのボールを。
北川:その次に俺が2点目を決めたのか。
中野:で俺が3点目を決めて、すぐに航(野口航・3年)が4点目を決めた。

北川:この大会の1回戦の相手は東海大(3-0)か。
中野:で、2回戦は早稲田大(2-1)に逆転勝ち。
北川:逆転勝ちが2回続いて、勢いに乗れたね。その勢いが総理大臣杯までもつれたって感じかな。決勝は明治大相手に負けたけど。
中野:PKでね。あれは仕方ない。(0-0・PK3-5)
中野:大臣杯の初戦は北陸大(2-2延長1-0)。延長入って、結構苦戦したね。
北川:準決勝の関西学院大戦(1-2)も勝てると思ったのになあ。
中野:完全に力の差が出たね。

――総理大臣杯で他地域の大学と対戦しての印象は?
北川:関西学院大はすごかったよね。どこからでも攻めるし。
中野:これが大学サッカーのトップなんだなって感じた。テクニックもあるし、アジリティもあるし。
北川:まあ、あの関学大は特別だったよね。九州の大学だと、福岡大戦はフィジカル面で強かった印象。
中野:後半とか、押し込まれまくってた。

――印象に残っている選手はいますか?
北川:あの早川さん(早川史哉・新潟)や三丸さん(三丸拡・鳥栖)がいても抑えきれなかった、関学大の3トップ(呉屋大翔・G大阪、森信太朗森俊介・4年:新潟内定)が強烈だった。
中野:確かにあの3枚はやばかった。

――今年の総理大臣杯は2回戦敗退(立命館大 戦・1-2)でした。
中野:個人的な話になっちゃうけど、決めるべきところで決めてれば……って感じだなあ。
北川:ミドルシュートを決められたんだっけ。
中野:俺がピッチの外に出て治療してもらっているときに連続で失点して。もったいない試合だったと思う。
北川:2失点目はどんなだったっけ?
中野:裏に抜け出されて決められた。
北川:そうだ、ポストに当たって入ったんだ。誠也がいない間に、ポンポンって決められて。ただただ、もったいなかった。
中野:実力不足だけど、あれは勝てた。この分をインカレで取り返したいっていう思いはあります。

――インカレで対戦してみたい大学はありますか?
北川:俺は東海学園大。母校が東海学園高校で、友達も結構いるから。当たるとしたら準々決勝かな。高校の先輩(畑潤基・東海学園大4年)が特別指定先のV・ファーレン長崎で点も取っていて、しかも夏の総理大臣杯で阪南大相手に(3-0で)勝っているから対戦したい。

中野:俺はその東海学園大と1回戦で対戦する関西大(笑) 磐田U-18の時に一緒に2トップを組んでいた竹下(竹下玲王)がいるので、当たりたいっちゃ当たりたい。関西大には、けっこう磐田U-18出身の選手が多いので対戦したいかな。
北川:中京大も、名古屋U18出身の選手が多いから試合してみたいな……対戦したいところが、この山に固まったね(笑)

――注目の対戦カードは?
北川:勝ち上がるっていう前提だけど、順天堂大阪南大が上がってきたら、そこの山はけっこう面白いと思う。両方とも攻撃的なチームだからね。もちろん守備もサッカーの魅力のひとつだけど、見ている側からしたら、攻撃しあう展開は面白い。

 個人的には、明治大と決勝で当たりたいという気持ちがあります。明大にはリーグ戦では2試合とも引き分けだったから(2-2、1-1)、インカレで勝って優勝を決められたら最高かなって。白黒つけたい。

――一発勝負のトーナメントを戦っていくうえで大事なことは何だったと思いますか?
中野:勢いと一体感じゃない?
北川:俺も、勢いだと思う。あとは失点しないこと。
中野:俺たちFW含めて、守るときは全員で守る意識を持たないと。
北川:その勢いをどうやって作るかじゃない?
中野:だから初戦とその次が大事になってくるんだよね。
北川:まあ勝てば、そこで勢いに乗れるから。ただ、それ以上の勢いでやらないとね。

――インカレに対する意気込みをお願いします。
中野:チームとしては優勝しかない。他に細かいこととかなくて、優勝するだけ。
北川:そうだね。
中野:個人としては、点を取り続けるだけ。
北川:1点でも取れればあとは失点を0に抑えて。1点でも取れればチームは勝てるから。
中野:1試合1点は取ります! 二人で1点ずつ取れればいいね。
北川:常にゴールを意識する。点を取れれば勝てるんで。取ります!

■インカレ2回戦(12月10日)
[江東区夢の島競技場]
筑波大 13:30 札幌大vs中京大の勝者

(協力 全日本大学サッカー連盟)

●第65回全日本大学選手権(インカレ)特集
※別サイトへ移動します
全日本大学サッカー連盟公式サイト
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instagram:全日本大学サッカー連盟

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