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初出場で初白星!! 九州共立大、「100点満点に近い」守備で“岩教大封じ”

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インカレ初出場で初白星を獲得した九州共立大学イレブン

[12.7 全日本大学選手権(インカレ)1回戦 岩教大0-1九州共立大 江戸川陸]

 第65回全日本大学サッカー選手権大会1回戦が7日に各地で行われ、江戸川区陸上競技場では、3年連続6回目の出場となった北海道教育大学岩見沢校(北海道)と初出場の九州共立大(九州3)が対戦した。前半8分にMF角康平(2年=佐賀北高)の得点で先制した九州共立大が、そのまま逃げ切りに成功。1-0の完封勝利を収め、大会初白星を獲得した。

 試合をいきなり動かしたのは九州共立大だった。前半8分、中盤でボールを受けた角が右サイドのMF木橋春暁(3年=日章学園高)に展開すると、自らはゴール前に駆け上がる。サイドをえぐった木橋がグラウンダーのクロスを送ると、ファーサイドにフリーで走り込んだ角が抑えの利いた鮮やかな右足シュートでネットを揺らし、スコアを1-0とした。

 その後は両チームともにゴールを脅かす場面を創出。前半15分には岩教大が好機を生み、MF小川達也(1年=履正社高)からボールを受けたFW志田尚弘(4年=札幌一高)がミドルシュートを枠内に飛ばすも、GK藤野聖也(4年=大分雄城台高)に弾き出される。同17分には逆に九州共立大がゴールに迫るが、MF横道恭輔(3年=鹿児島城西高)のスルーパスから抜け出した木橋のシュートはGK福永浩哉(3年=札幌光星高)にストップされてしまった。

 1-0とリードしたまま前半を折り返した九州共立大は、「特にやることは変えず、裏にスペースがあるからカウンターを狙う部分は徹底した」(米山隆一監督)。そして、1点を追う岩教大はFW志田尚弘(4年=札幌一高)に代えてMF小笠原光研(2年=遠野高)を投入し、状況を打開しようと試みる。

 迎えた後半、好機を生み出したのは九州共立大だった。後半18分には右サイドの展開から最後は逆サイドから走り込んだDF三村康太(3年=福岡U-18)が、同22分にはMF吉田隼涼(3年=鹿児島城西高)のスルーパスから抜け出したMF杉田儀斗(4年=東海大五高)が立て続けに決定機を迎えるが、福永のビッグセーブに阻まれて追加点を奪うには至らない。米山監督は「いい崩しができて、GKとの1対1も何本かあった。そこを決め切れないと、相手にやられてしまう」と戦況を見守っていた。

 すると、その後は岩教大が押し込む時間帯が続く。後半30分には後方から送られたボールをFW浅利俊哉(3年=盛岡北高)がヘッドで落とすと、反応したMF小泉洋生(4年=國學院久我山高)が決定機を迎えるが距離を詰めた藤野に阻まれてしまう。さらに終盤には187センチのDF重森剛司(3年=広島観音高)を前線に上げたパワープレーに打って出て残り5分からは波状攻撃を仕掛けるも、DF山下徹朗(4年=三潴高)とDF冨田晃一郎(2年=熊本国府高)の2CB、そして後半29分からアンカーに投入されたキャプテンのMF田中功一(4年=佐賀学園高)を中心とした九州共立大守備を攻略し切れず。1-0のまま試合終了のホイッスルが吹かれることになった。

 大会初出場での初白星に「うれしいというか、ホッとしました」と胸をなで下ろした米山監督は「守備に関しては100点満点に近いくらい、皆が連動して体を張ってくれた。よく頑張ってくれたと思います」と選手たちを労った。そして、次戦に向けて「押し込まれる時間が長くなるでしょうが、夏のチャンピオンと対戦でき、全国大会の本当のトップレベルを体感できるのはうれしいですね」と語る。2回戦の相手は総理大臣杯を制した明治大。大会初白星を獲得して勢いに乗ったチームが“夏の王者”に挑む。

(取材・文 折戸岳彦)

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