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元G大阪FW前田監督の采配ズバリ!!関西大が東海学園大に鮮やか逆転勝利

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後半アディショナルタイム、FW竹下玲王の劇的決勝弾に沸く関西大の選手たち

[12.7 全日本大学選手権(インカレ)1回戦 関西大2-1東海学園大 夢の島]

 第65回全日本大学選手権(インカレ)の1回戦が7日、各地で行われ、江東区夢の島競技場では関西大(関西4)と東海学園大(東海3)が対戦し、3年ぶり22回目の出場となった関西大が2-1で逆転勝ちした。10日の2回戦では鹿屋体育大(九州1)と対戦する。

 序盤から両チームが激しく攻め合った。東海学園大は前半15分、ロングフィードの競り合いからFW畑潤基(4年=東海学園高)がボールを奪ってシュート。今季、V・ファーレン長崎の特別指定選手としてJ2で5試合1得点を記録した東海学生リーグ得点王がいきなり見せ場をつくるが、これを来季神戸入団内定のGK前川黛也(4年=広島皆実高)が至近距離で体を張って防いだ。

 関西大もエースのFW竹下玲王(3年=磐田U-18)が前半16分、18分と立て続けにシュートを放つが、枠を捉えられず。東海学園大は前半21分、カウンターから畑が力強いドリブルで駆け上がり、フィニッシュまで持ち込むが、シュートはゴール右へ外れた。同37分のMF松浦帝斗(4年=山梨学院高)の強烈な左足ミドルも前川が横っ飛びでセーブ。すぐさま体勢を立て直し、ゴール方向にこぼれたボールを自らゴールラインぎりぎりでかき出した。

 サンフレッチェ広島などで活躍した元日本代表GK前川和也氏を父に持つJ1内定GKが見せたビッグセーブ。しかし、東海学園大の点取り屋も負けていない。スコアレスで折り返した後半8分、左サイドからの折り返しをPA内でおさめた畑がシュート。一度は前川に阻まれたが、ゴール前混戦からこぼれ球を再び畑が押し込み、ゴールネットを揺らした。

 先制点で勢いづく東海学園大は後半18分、畑のスルーパスにMF武田拓真(3年=中央学院高)が走り込むが、ゴールを空けて飛び出した前川が一歩早くボールを抑え、ピンチをしのぐ。前川の好守に応えたい関西大攻撃陣。後半15分にMF藤村洋太(3年=京都橘高)、同23分にMF平尾柊人(4年=福知山高)を投入し、左右のサイドハーフを次々と入れ替えていくと、これが後半26分に実った。平尾の左クロスをファーサイドの藤村が頭で折り返し、ゴール前の竹下がダイビングヘッドで押し込む同点ゴール。1-1と試合を振り出しに戻した。

 今季からチームを率いる前田雅文監督は「ポジションをちょこちょこ変えたら最後に左右のバランスが良くなった。ドリブルができる選手を左に置いて、右は連係で動ける選手を入れて、両方を活性化できるようにした」と、その狙いを説明。現役時代はガンバ大阪などでプレーし、J1通算1万ゴール目のメモリアルゴールも決めたOB監督の采配がずばり的中した。

 終盤は東海学園大の攻撃の起点となっていた武田が足をつって途中交代するなど、徐々に関西大が勢いを増し、足の止まり始めた東海学園大を押し込む。すると1-1のまま延長戦突入かと思われた後半アディショナルタイム、関西大はDF池端翼太(4年=三重高)の右クロスから相手DFのクリアが後方に流れたところに竹下が詰め、ヘディングシュート。これがループ気味にGKの頭上を越え、ゴールマウスに吸い込まれた。技ありのヘッド弾が竹下のこの日2得点目。試合終了間際の劇的決勝点で2-1の逆転勝利をおさめた関西大が2回戦に駒を進めた。

(取材・文 西山紘平)

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