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鈴木政一監督の下で復活、35年ぶり出場の日体大が東海王者の静産大寄せ付けず

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35年ぶり出場の日体大が初戦突破を決めた

[12.10 全日本大学選手権2回戦 静産大0-2日体大 大和]

 第65回全日本大学選手権(インカレ)の2回戦が10日に行われ、大和スポーツセンター競技場の第2試合では35年ぶり出場の日本体育大(関東3)が静岡産業大(東海1)を2-0で下した。12日の準々決勝では関西学院大(関西2)と対戦する。

 前回出場は優勝した昭和56年の第30回大会。35年ぶりにインカレに帰ってきた「日体ブルー」が初戦突破を決めた。

 チームが変わったのはかつてジュビロ磐田を率いたOBの鈴木政一監督(61)を招いてからだった。鈴木監督は2011年に日体大サッカー部の監督に就任。長年低迷していたチームを立て直して16年ぶりに1部へと昇格させた。

 13年にU-18日本代表の監督に就いたために職を離れたが、15年に復帰すると、再び2部に降格していたチームを2部優勝に導いた。今季は夏の総理大臣杯で3位。1部リーグでも3位という結果を残し、35年ぶりのインカレへと導いていた。

 初戦の相手は東海1部王者の静岡産業大。3日前に1回戦を消化しており、中国地区代表のIPU・環太平洋大に3-0で快勝している相手だった。しかし日体大はその試合を徹底的に研究。この日の試合のために4-1-4-1のシステムを取り入れてインカレ初戦に臨んでいた。

 そして試合では采配が的中することになる。先制点が生まれた前半32分、右サイドからDF田宮碧人(2年=FC東京U-18)がアーリークロスを上げると、FW太田修介(3年=甲府U-18)が反応。右足に当てると、ボールは相手に当たってゴールに吸い込まれていった。太田の日体大に入ってからは初めてという1トップ起用に応えたゴールだった。

 後半に入るとこう着状態が続くが、後半34分に関東1部得点王のMF高井和馬(4年=千葉SCユース)がドリブルで持ち上がってシュート。これは惜しくも枠左に外れたが、常に押し気味で試合を進める。そうして迎えた後半アディショナルタイム5分、右サイド深い位置にドリブルで入った途中出場のFW平川元樹(2年=札幌U-18)の折り返しを、MF川戸大樹(4年=神戸U-18)が押し込む。川戸のチーム最多となるこの日4本目のシュートが決まり、勝利が決定した。

 相手のシュートは前半の1本のみ。数字が示すように、日体大にピンチはほぼなかった。ただ鈴木監督は「トーナメント1回戦は勝てばよし」と話したのみで、試合内容への評価は辛い。「フィニッシュのところがダメ。まだまだ練習しないと」。次戦の相手は関学大。「やってみたいチームだった」と不敵な笑みを浮かべた61歳の知将は、「次はオーソドックスにやる」と真っ向勝負を予告した。

(取材・文 児玉幸洋)

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