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“10点差”から自分たちのサッカー貫き6点差…初出場・九州共立大監督「よくやった、胸を張りなさい」

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九州共立大の挑戦は2回戦で終わった

[12.10 全日本大学選手権2回戦 明治大6-0九州共立大 町田]

 九州共立大の米山隆一監督は、総理大臣杯優勝校・明治大を相手に0-6で敗れはしたものの、逃げずに自分たちのサッカーを貫いた選手たちを褒め称えた。

 高い組織力をいかしたパスワークや運動量を武器に、夏の総理大臣杯で初出場した九州共立大は、1回戦敗退に終わったものの、九州大学リーグ3位で初めてのインカレ出場権を獲得。雪辱を果たすチャンスをつかんだ。7日に行われた1回戦の北海道教育大学岩見沢校戦では、前半8分にMF角康平(2年=佐賀北高)が決めた先制点を守り抜き、歴史的勝利を飾った。そして迎えた2回戦の相手は、夏の王者・明治大。指揮官はこの一戦に向けて、選手たちに「逃げるな」と話したという。

「全国大会に出ることができて、1回戦で勝って、そのおかげで夏のチャンピオンチームと対戦できる。一番の頂上を目指す大会で頂上が見られる。それを見て帰らないといけない。10点差はあると思っていた。その差を試合中で、90分の間で1点でもいいから縮められるように自分たちのサッカーをやろうと。ゴール前でビルドアップしていい、取られて失点してもかまわないから、ただ蹴って逃げるよりは、ちゃんと日本一を体感できるように、自分たちの差がどこなのかちゃんとわかるサッカーをしよう」

 そう送り出された選手たちは戦前の予想通り、J内定者4人を擁する明治大の厚みのある攻撃を受け続けることになったが、ボランチの田中功一(4年=佐賀学園高)を中心にしっかりパスを回し、これまでやってきた九州共立大のサッカーを披露した。しかし、前半10分に先制点を許すと、セットプレーから2失点。後半も3点を失い、0-6で2回戦敗退となった。それでも米山監督に悔いはなかった。むしろスッキリした表情が印象的だった。

「全く通用しなかったけど、逃げずにできるだけのことをよくやってくれた。セットプレーでやられたのがね。高さも違うからそういう意味では悔いもないし、『よくやった』と試合が終わってから褒めてあげた。彼らの努力の結果。『胸を張りなさい』と伝えた」。九州共立大の挑戦は2回戦で終わった。それでも総理大臣杯に続いて、全国の舞台で試合ができたことは選手たちにとっていい経験になったことは間違いない。

(取材・文 清水祐一)
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