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“反骨の守護神”青森山田GK廣末、「上がれなかった」FC東京U-18戦で4戦全勝!!

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来季のFC東京加入が内定している青森山田高GK廣末陸

[12.11 高円宮杯プレミアリーグEAST第18節 FC東京U-18 0-1 青森山田高 FC東京小平グラウンド]

 青森山田高FC東京U-18との“優勝決定戦”。誰より注目を集めていた存在が青森山田GK廣末陸(3年)だった。FC東京U-15深川出身で、来季のFC東京入りを決めているU-19日本代表守護神。試合後は青森山田のチームメートや父母たちと喜びを分かち合う一方、FC東京の関係者たちからも声を掛けられていた。

 そのGKはこの日の1-0勝利によって、自身が昇格することのできなかったFC東京U-18との公式戦を4戦全勝と完璧な成績にした。「絶対に負けたくなかったんで、しかも優勝を決める試合をFC東京とできるということで本当に楽しみで来ました」という廣末は前半27分のピンチを集中した守りで阻止すると、後半にはクロスを思い切った飛び出しで弾き返すなどFC東京の前に立ちはだかる。そして一発で敵陣深くまで押し返してしまうキック。本人はチームが苦しい時間帯でミスキックがあったことやDFを動かして守りを修正できなかったことを反省していたが、背番号1は青森山田はこの日の勝利、優勝に欠かせない存在だった。

「ユース上がれなくて(東京から)青森に来た意味っていうのを、もしここで負けたら『やっぱり』となっちゃうと思うので、ここで勝てたことは青森に行った意味をしっかり確認できたので良かったと思います。本当に、それ(FC東京U-18に勝つこと)がひとつのモチベーションで青森でやってきたんで、負けたら今までやってきたことが何なんだということになっちゃうと思うので、勝てて良かったです」。

 強烈な“打倒FC東京魂”。それが廣末の成長する力の源となった。そして昨年はプレミアリーグに昇格してきたFC東京U-18に2勝。今年もホームでの2-1での勝利に続いて再びFC東京U-18から白星を勝ち取った。高校生活において日本一になることと同じくらいに、こだわってきた白星を再び掴んで、廣末は広島ユースとのチャンピオンシップに臨む。

 チャンピオンシップが行われる埼玉スタジアム2002は今年1月の全国高校選手権準決勝で後半アディショナルタイムに失点して敗戦している場所。その失点はシュート性のクロスに対してDFの足が止まり、それをゴール前で合わせられるという形だった。GKにとってはほぼチャンスの無いようなシュートに映ったが、廣末は「今でも見ることがあるんですけれど、やれることがあったんじゃないかとか考えます。もうあそこでは負けたくない」という。「反骨精神」をパワーに成長を遂げてきたGKにとって忘れられない失点のひとつ。“反骨の守護神”は同じ場所でゴールを許すつもりはない。埼スタでリベンジを果たして日本一を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
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