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明治大三冠ならず…“雪辱”果たした大阪体育大が3年ぶり4強!坂本総監督「2点ともイメージ通り」

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大阪体育大学(関西3)が準決勝に駒を進めた

[12.12 全日本大学選手権(インカレ)準々決勝 明治大1-2大阪体育大 町田]

 冬の大学日本一決定戦・第65回全日本大学選手権(インカレ)の準々決勝が12日、各地で行われ、町田市立陸上競技場では大阪体育大(関西3)が明治大(関東1)と対戦。4年連続19回目の出場となる大阪体育大が2ー1で勝利した。15日の準決勝では日本体育大(関東3)と対戦する。

 両チームは夏の総理大臣杯の準々決勝で対戦し、明治大が3-0で勝利。総理大臣杯と関東学生リーグに続く3冠を目指す明治大は、2回戦で九州共立大に6-0で完勝、対する大阪体育大も3-0で法政大を下し、互いに勢いに乗る東西対決で4強の座を争った。

 序盤は球際の激しい攻防で、互いに攻撃の形をつくりながらもフィニッシュまで持ち込めない展開が続く。「立ち上がりはサイドからの攻撃やフィニッシュの精度が低かった」と明治大の栗田大輔監督が言うように、大阪体育大はDF秋山拓也(4年=愛産大三河高)を中心としたDF陣が攻撃の芽を摘み、シュートを打たせない。堅守でリズムをつくって徐々に流れを引き寄せる。

 そして前半19分、大阪体育大が先制に成功。MF末吉塁(2年=初芝橋本高)の突破を止めにかかった甲府内定DF小出悠太(4年=市立船橋高)が左足を痛めて倒れこむ。プレーが続くなか、流れたボールに詰めたFW古城優(2年=堺西高)のシュートは阻まれたが、こぼれを拾ったMF後藤虹介(4年=飛龍高)が右足一閃。強烈ミドルが決まり、1-0とリードを奪った。

 左足を痛めた小出は「肉離れです。ブチっと音がしたのですぐ分かった。今年の1月にもやったので」という状況で前半22分に交代。守備の要を欠くことになった明治大は、代わってDF鳥海晃司(3年=千葉U-18)をピッチに送り込んだ。

 勢いに乗る大阪体育大は末吉の個人技から左サイドでチャンスをつくる。さらに攻勢を強めると、前半30分にカウンターから追加点。前線からプレスをかけていた古城が裏に抜け出し、相手二枚を引き付けると冷静に横パス。

「(池上)丈二さんの声が聞こえた」(古城)というパスからフリーのMF池上丈二(4年=青森山田高)が右足で追加点。2回戦の法政大戦(3-0)で2得点を挙げたエースが2戦連続ゴールを押し込み、2ー0で前半を折り返した。

 前半は主導権を握れなかった明治大だが、後半立ち上がりに反攻に出る。後半4分、甲府内定MF道渕諒平(4年=仙台ユース)が中央からドリブルで運び、そのままミドルシュート。強烈な一撃をゴール右隅に突き刺し、1点差に詰め寄った。細かくパスをつないで攻勢を強め、FW丹羽詩温(4年=大阪桐蔭高)やMF柴戸海(3年=市立船橋高)がシュートを連発するが、立て続けにMF平田健人(2年=星稜高)の好ブロックに防がれ、ゴールネットは揺らせなかった。

 夏の王者のプライドを懸け、明治大は最後までゴールに襲い掛かったが、もう1点が遠く準決勝で敗退。明治大の栗田大輔監督は「(相手の)守備の意識がすごく高くなっていた。カウンターに気をつけていこうと試合に臨んだ。立ち上がりで2失点して、良い時間帯に1点取れたのですが……。もう1点入ったらゲームが変わったけれど、そこが取れなかった」と悔しさをにじませた。

 大阪体育大が2-1で明治大を撃破し、優勝した第62回大会以来、3年ぶりの4強入り。今季限りでの勇退が決まっている就任44年目の坂本康博総監督は「うちには巧い選手はいないけど、チームとして自分の仕事をしてくれたら結果に結びつく」と胸を張る。「(明治は)もともと力のあるチーム。うちがつなぎの展開をやったら、全部カットされるので。とにかく『背後を狙え』と。2点ともイメージ通り」と中1日での“明治大対策”がハマった。

 日本一まであと2勝。3年ぶりの優勝が見えてきたが、名将は「(日本一は)全然見えてないですよ、この頃は目も悪くなって」と笑い飛ばした。

(取材・文 佐藤亜希子)
●第65回全日本大学選手権(インカレ)特集

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