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「ビデオ判定にも感謝」歴史的PKの鹿島、指揮官は「流れが途切れてしまうのは…」と苦言も

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前半30分、FIFA主催大会では初めてビデオ判定によりPKが与えられた

[12.14 クラブW杯準決勝 A・ナシオナル0-3鹿島 大阪]

 歴史的な瞬間だった。前半30分、スローインになったタイミングで突然、プレーが止まった。FIFA主催大会で初めてビデオ判定システムが試験的に導入された今大会。これまでの4試合で実際にビデオ判定が適用されることはなかったが、プレーが切れる前の鹿島のFKのシーンで“疑惑”の場面があったとしてビクトル・カサイ主審の合図で試合が一時中断した。

 場内のビジョンに「ビデオ判定中」という表示が出る中、カサイ主審はバックスタンド側のタッチライン外にあるモニターでリプレーを確認。MF柴崎岳のFKからPA内のファーサイドでDF西大伍がFWオルランド・ベリオと交錯し、転倒したプレーでモスケラのファウルがあったとして鹿島にPKを与えた。

 FIFA主催大会では史上初めてビデオ判定により与えられたPK。これを冷静にゴール左へ決めたFW土居聖真は「大事なところで決められた。ビデオ判定にも感謝です」と率直に言った。プレーが止まった瞬間は「何があったか分からなかった」というが、「大会が始まるときに説明があって、『急に中断することもあるから、そのときはビデオ判定だと思って』と言われていた」と明かす。

「どのシーンかは分からなかったけど、ビデオ判定をしているんだろうなとは思った」という土居に対し、当事者である西は「(プレーが)止まった瞬間、そうだろうなと思った」と、すぐに状況を理解した。「最初、副審に確認したときは『(ファウルは)ない』と言われて、そのまま流れたかなと思ったけど」と、少し遅れたタイミングでのビデオ判定に違和感はあったが、「僕らとしてはありがたかったですよね」と素直に認めた。

 歴史的なジャッジとなったが、プレーは約3分間止まり、“空白の時間”が生まれた。場内のビジョンでもリプレー映像は流れたが、ピッチ上の選手、スタンドの観客にも分かりづらかった。正しい判定が導き出されるというメリットの半面、試合の流れが切れてしまうデメリットも露呈。鹿島の石井正忠監督は「ああやってしっかり判定してもらえるのはいいこと」としながらも、一人の指導者としてあえて苦言も呈した。

「あれが試合中に何度も繰り返されると、サッカーとして流れが止まってしまう。試合の流れが途切れてしまうのは僕としては少しどうかなと思う」。そう問題提起したうえで「あれだけ長い時間をかけずに素早く判定できれば、そこはもっといい形になるのかなと思う」と、今後の改善にも期待していた。

(取材・文 西山紘平)
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