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[プレミアリーグ参入戦]選手権の有力校・桐光学園撃破!関西王者・阪南大高が初のプレミア昇格へ前進!

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前半43分、木戸口蒼大(10番)のゴールを喜ぶ阪南大高イレブン

[12.16 高円宮杯プレミアリーグ参入戦1回戦 阪南大高 2-0 桐光学園高 呉市総合スポーツセンター多目的G]

 16日、高校年代最高峰のリーグ戦であるプレミアリーグ参入を懸けた高円宮杯U-18サッカーリーグ2016 プレミアリーグ参入戦の1回戦8試合が広島県内で行われた。プリンスリーグ関西王者の阪南大高(大阪)とプリンスリーグ関東2位の桐光学園高(神奈川)との好カードは、FW木戸口蒼大の2ゴールによって阪南大高が2-0で勝利。阪南大高は初のプレミアリーグ参入を懸けて18日の2回戦で新潟明訓高(北信越1、新潟)と戦う。
 
 最大の目標である全国高校選手権出場を逃している強豪が見せた90分間の見事な戦い。MF藤本悠太郎主将が「きょうは年間でも一番と言っていい試合ができたと思いますし、この雰囲気で行っていたら選手権も行けていたと思います」と評した攻守によって、阪南大高が全国高校選手権の有力校である桐光学園に快勝を収めた。

 阪南大高の濱田豪監督は「(桐光学園のように)タイプ的に丁寧にきちっとやってくれるチームに対しては、今年のウチはやってくれる子たちなので。その自信は僕ら(コーチ陣)もあった」と説明する。組みやすさもあったが、試合直前に戦い方を変更する決断も功を奏した。

「(狙い所を定めてボールを獲りに行くのではなく)風も結構強かったし、グラウンドもあんま良くなかったので前から被せに行こうとなって。GKにも連続して行けと言われていた。攻撃も(普段のような)グラウンダーのパスばかりではなく、DFの裏に落とせと」(藤本)。

 その阪南大高は前半、ボールサイドの攻防でも上回る。中盤でセカンドボールを収めてカウンター攻撃を繰り出すと、前線の木戸口やFW稲森文哉が良くボールを収めるなど、敵陣で試合をする時間を増やしていた。そしてPA手前でサイドを変えてフリーの選手を作り出した阪南大高は43分、中央から右サイドへボールを動かし、縦へ仕掛けたMF島田直樹が右足シュート。こぼれ球を木戸口が1タッチでゴールへ押し込んで先制した。
 
 後半立ち上がりは桐光学園もオープンスペースへのボールを多用。FW倉持快がスペースへ走り込んでポイントとなったほか、MF鳥海芳樹の鋭い仕掛けなどから阪南大高の守りをこじ開けようとする。だが、個々が何とかしようとする思いが強すぎたか、攻撃は単発となり、CB村瀬悠介やCB吉田伸弘に跳ね返されるなど攻め切ることができない。

 逆にカウンターからシュートシーンをつくった阪南大高は32分、右サイドから木戸口とのコンビでMF田中大貴がPAへ潜り込むと、最後はこぼれ球を木戸口が右足で蹴り込んで2-0とした。

 桐光学園も35分にFW西川公基のスルーパスから交代出場のFW佐々木倫忠が決定的な右足シュートを放ったが、これは阪南大高GK坂本大地がファインセーブ。桐光学園は左SBタビナス・ジェファーソン主将(川崎F内定)のドリブル突破などからチャンスを増やそうとしたが、鈴木勝大監督が「折れていましたね」と指摘したように、気迫含めて阪南大高の守りを上回ることができず。強豪をシュート4本に封じた阪南大高が参入決定戦へと進出した。

 阪南大高は今季、プリンスリーグ関西で開幕から13戦連続無敗と首位を独走し、3試合を残して優勝決定。だが、選手権の大阪府予選では本命に挙げられながらも決勝で惜敗して全国出場を逃していた。選手層含めて全国でも十分に上位を狙える力があるだけに、チームの落胆は大きかったという。その落胆の期間も長く、参入戦直前まではトレーニングでもパッとしない状況。それでも覚悟を決めた選手たちは木戸口が「きょうは雰囲気がいつもと全然ちゃうくて。ここまで持って来れてよかったです」というパフォーマンスでインパクト十分の勝利を成し遂げた。

 濱田監督は「高校生なんで。今年は、という年で(選手権を)落としちゃったんで。僕らも(戦えるのか)半信半疑でここに来たんですけど、選手たちが良くやってくれたと思います」。18日には勝っても、負けても3年生たちにとって最後の試合となる新潟明訓戦。藤本は「ここに来れていない2年生たちにも『頑張ってください』『来年上げてくださいね』と言われているし、自分らもこういうところまで来たんで最後しっかり勝って終わりたい」と宣言した。選手権不出場の強豪、阪南大高が16年度“高体連トップクラス”の実力をプレミア参入権獲得で証明する。

(取材・文 吉田太郎)
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