[12.16 高円宮杯プレミアリーグ参入戦1回戦 JFAアカデミー福島U18 1-3 福岡U-18 呉市総合スポーツセンター陸上競技場]

　16日、高校年代最高峰のリーグ戦であるプレミアリーグ参入を懸けた高円宮杯U-18サッカーリーグ2016 プレミアリーグ参入戦の1回戦8試合が広島県内で行われた。プリンスリーグ東海王者のJFAアカデミー福島U18(福岡)とプリンスリーグ九州2位のアビスパ福岡U-18(福岡)の対戦は、粘るJFAアカデミーを福岡が3-1で振り切って快勝。福岡は悲願のプレミアリーグ復帰を懸けて18日の2回戦で地元・広島皆実高(中国2、広島)と戦う。

　試合を動かしたのは、福岡が繰り出した開始5分の先制パンチだった。MF稗田圭吾がCKから蹴り込んだハイボールに頭一つ抜き出たヘディングでFW宮内真輝が鮮やかに合わせて先制弾。主将の一撃で、九州の雄がいきなり試合の主導権を奪い取った。

　追うJFAアカデミーも岡山内定のDF下口椎葉と、体格と技術を兼備するFW飛鷹啓介の2枚が前後で起点となってビルドアップ。U字型にボールを動かしながら中も使う攻めで徐々に相手を追い詰めていく。福岡も小倉裕介監督が「回されるのは分かっていた」と振り返ったようにこの展開は想定内だったのだが、それでも次第に守備が綻んでいった。

　前半のラスト5分は完全にJFAアカデミーの流れ。FW清水映心が40分、43分と2度の絶好機を迎えるビッグチャンスも生まれたが、これは福岡のGK佐藤幹太が連続セーブを見せてゴールを許さない。しかし、直後の44分だった。ゴール前からJFAアカデミーFW延祐太が放ったミドルシュートに対し、ビッグセーブを見せていた守護神がまさかの後逸。思わぬ失点でハーフタイムを迎えることとなった。

　心理的なダメージが残ってもおかしくない流れだったが、「何本も止めてくれていたアイツに責任を負わせるわけにはいかない」(稗田)と、団結力が売りのチームが折れることはなかった。「いつもジワッとくるくらい支えてくれる」(小倉監督)熱い声を送るサポーターの声援も受けながら、後半に臨んだ。

　相手のボール回しに対して焦って食い付かないこと、守備から攻撃の切り替えでのミスを出さないようにすることを再徹底して臨むと、後半10分には左サイドからの攻めで相手を完全に崩し、「最初はクロスが来ると備えていたけれど、上手くこぼれ球を狙えた」と言うMF本田聖がこぼれ球を押し込んで勝ち越しゴールを奪い取る。さらに19分には「前を向いたら打とうと思っていた」という稗田がミドルレンジから見事なシュートを叩き込んで貴重な追加点を奪い取った。

　その後はGK佐藤を含めた後方が踏ん張り、最後は下口を前線に上げてゴールを狙ってきた相手を跳ね返し続けて快勝。ともにプレミアリーグ復帰を目指す両チームの戦いは3-1のスコアでJFAアカデミー福島を下した福岡が18日の2回戦へと駒を進めた。

(取材・文　川端暁彦)

---

▼関連リンク
高円宮杯U-18サッカーリーグ2016 プレミアリーグ